浜崎あゆみ30万枚限定CD戦略-2章Kanariya「globeを通して見る現実」

「浜崎あゆみ30万枚限定ブランド戦略」コラム記事第2章ではSg「Kanariya」の発売時期を中心に、globeとの関連性なども交えながら、考察していきます。

1章はこちら↓

浜崎あゆみ30万枚限定ブランド戦略-コラム1章appears「時代を読むセンス」

「Kanariya」

AL及び「appears」発売の、翌12月には、2nd ALから「Kanariya」が同じく30万枚限定でシングルカットされた。

非売れ線リミックスがメインだったものの、この時期は完全に彼女の勢いがグングンと増していた状況だった事もあり難なく1位、前作程ではないものの、同じく当時一部でプレミア化。ジャケット、PVの全身スパンコールのビジュアルも話題に。

CDも黒のカラーケースや、ピクチャーレーベル仕様になったりとビジュアル面でも、よりコレクターアイテム性が高くなっていました。

kanariya

こちらの記事でも触れましたが、Sg『A』が年間シングルチャートで女性ソロで1位の座に立つなど、彼女にとって快進撃の1年の幕はとじます。

浜崎あゆみ「Boys & Girls」レビュー前編 接触商法より道理的 リミックス戦略

限定ブランド戦略が影響を

同時期、鈴木あみHAPPY NEW MILLENIUM」(1999)を40万枚限定で発売。曲単体としては、マニアックな非売れ線曲ですが「ハッピーニューミレニアム~♪」のフレーズで(良い意味で)誤魔化せちゃうというか。

曲単体での評価というより「アミーゴのニューイヤーソングか!これは買っておこう!」という雰囲気がギリギリ通用した時代だと思われ。

こちらも、1ヶ月ほどでほぼ完売。このわざわざ40万枚と名を打ってくるのが、浜崎サイドを意識した後追いと思われますが、それだけこの戦略が効果的だと評価された裏返しなわけで、avex的にはしてやったりか。(追記:鈴木あみもSg「Nothing without you」の時点で40万枚限定特典でステッカー?付き等はやってましたね)

ただ彼女の場合、ソロアイドルとしてはトップの座で「BE TOGETHER」で年末年始の特番にも出まくっていた頃です。この作品に関してはは、普通にミレニアム記念Sgとしてリリースしても、アイドルによくあるクリスマスギフトの様な感じで(40万以上になるとも思えないが)売上枚数はほとんど変わらなかった気もします。

その後、彼女の数量限定戦略を参考にしたであろうアーティストも度々登場しましたが、印象に残っているのは、

※以下の作品郡の収録トラック数はいずれも4曲前後

aiko桜の時」(2000)初回生産20万枚限定、AL先行。累計約13万枚。

BoADon’t start now」(2002)告知当初の3万枚から5万枚に増産し、ALからリカット。累計約2万枚。

中島美嘉の「CRECENT MOON」(2002)10万枚(金/銀各5万)限定。即完売、レアアイテム化。

おまけでは(安室奈美恵no more tears」(2000)先行Sgで限定生産⇒アナログ盤のみの発売)結果的に発売されませんでしたが、浜崎の戦略を模範されていたはず。

まあ、枚数限定だけをセールスポイントにすれば良いというものではなくて、浜崎のようにビジュアル面でも工夫したり、トラック数を増やしたりして商品自体の価値を上げたり、中島美嘉のように勢いのある時に、思い切り数を絞って飢餓感を煽らないと、リスナーへの探求力は弱いといったところか。

実際には浜崎がしている事が凄いだけなのだが、他アーティストに与える影響も多かったと思います。それについては、また後の章で。

ここで同じようにglobeを調べていて、気が付いたことがあります。

globe / still growin’ up

この時点での浜崎とglobeのキャリアやイメージなど全然違うので、当時は気付きませんでしたが、globeと浜崎のアルバムがいろいろな意味でリンクしていました。(シングルに関しては共に変動が多い為あえて触れていません)

98年12月AL『Relation』は約173万枚に対し、翌99年1月浜崎『A song for xx』約145万枚。

99年3月Remix+LIVEアルバム『FIRST REPRODUCTS』約50万枚に対し、浜崎あゆみのRemixAL「ayu-mi-x」約39万枚。

99年9月globe初のベスト盤『CRUISE RECORD 1995-2000』約276万枚を発売に対し、11月の浜崎『LOVEppears』約260万枚

以上のように多少の差はあるものの、この時期の両者のALリリースやセールスが見事にシンクロしていた事が分かります。

それを踏まえた上で、globeがベスト盤の2週前に発売した先行Sg「still growin’ up」(8cmCD/3曲入り)は約16万枚でした。

ちなみに、Sg「Kanariya」発売の1週後、12月15日にはglobeはベスト盤からSgカット「biting her nails」(初のマキシ、既存楽曲のmix違いとインストのみ収録)をリリースし、初のトップ10落ち、当時でのワーストセールス(約6万枚)を記録。

お茶濁しリカットだとしても、仮にもあれだけ盛り上げたベスト盤の次の作品ですし前作「Still~」との力の入れ方の落差も凄いですが・・・。

やっつけ感のあるPVもあった様ですね。リリース当時は、これすらなくてランキング番組ではジャケット(ベスト版アー写の使い回し)のドアップでした。

globe / biting her nails (avex)

つまりは、浜崎もリカットSg「Kanariya」をアルバム音源そのまま使い回して(まあ「Kanariya」に関してはオリジナルの方が一般受けは良いと思いますが)、PVもやっつけ、ジャケットもALのアー写の使い回し等、力を入れず

そして(ここが大事)リミックス戦略及び、30万枚限定ブランドも無しという同じ状況でリリースしていたら、globeのSgに近いセールスになっていた可能性があったと言えるでしょう。

それぞれに、時代の追い風や、タイアップやプロモの規模の違いなどあるので、現実にはそう単純な話ではないとしても、先述のALセールスの見事なリンクを見ると、それほど非現実的な話でもないと思われ。

売り方次第でこうなるんだぞという、浜崎のもう一つの未来の可能性(パターン)をglobeは、身を持って示してくれたのかもしれません。

今回、2章では「Kanariya」の発売を中心に取り上げました。

お読みいただきありがとうございました。

次回は、浜崎やavexアーティストが音楽バブルの時期に、シングルカットを多用していた事を考察しています。お楽しみに。

※追記 お待たせしました。お蔵入りになっていた3章を復刻、アップしました。

浜崎あゆみ30万枚CD戦略-3章Fly High「リカット主義 Max松浦勝人の狙い」

コメント

  1. flat より:

    浜崎あゆみの30万枚限定シングルについての考察を大変興味深く読ませて頂きました
    初めて知ったことも多かったのでとても面白かったです
    自分はコレクター魂がほぼ皆無なので30万枚限定とか全く気にせず音源さえレンタルで手に入ればいいやと思っていたのでこういう戦略でやっていたのかと知って驚きました

    楽曲的にappearsはキャッチーで好きな歌です
    初めての電話~二回目の電話~七回目の電話と回数を重ねるくだりはまんまglobeのJoy to the love(globe)だなと思ったりもしますが・・・
    アルバムのLoveppearsのジャケット撮影がNYでappearsのPV撮影もNYでされていて確かにアルバムの宣伝予算のおかげでシングルのPVが豪華になったみたいですね

    当時の浜崎あゆみはギャルからもオタクからも熱心に聴かれているという不思議な存在でした
    アダルトチルドレン的な内省的な歌詞がどちらの層の思春期の少女の心も(そして男子の心も)打つものがあったんだろうなあと感じました
    appearsの歌詞も「幸せそうに見える恋人たちも本当の所は誰にもわからない」という哲学的でドライなテーマが中二マインドを持つリスナーの心に直撃したんだろうなと思います(実体験)

    ただの思い出話になってしまいますが何かのTV番組で喉を傷めていた時にこの歌を歌って思いっきり荒れた歌い方になってしまい頭サビ終わりに「ごめーん!」と謝っていたのが可愛らしくて印象に残っています

    文章がまとまらなくなってしまいましたがともあれ名曲ですね
    プロモーション戦略もこの時期は本当に唸らせるものばかりです

    • tona より:

      コメントありがとうございます。そうですね、当時は音楽業界もバブルは過ぎた時期でしたが、まだまだCDもかなり売れていた時代だったので、レコード会社も守りというよりも攻めた戦略も多かった気がしますね。

      彼女の場合はこれでもかと言う位に付加価値が多かったですが、アイテムとして所持したいファンからすると、限定生産のCDそのものも立派な”特典”になるんですね。

      >~七回目の電話と回数を重ねるくだりはまんまglobeのJoy to the love(globe)だなと

      当時何かの記事で、この歌詞は宇多田の「Automatic」(七回目のベル~等)を
      意識して書いたのでは?というのを見てなるほどと思ってましたが
      globeの「Joy to the love」も重なる部分があるんですね。TK黄金期ど真ん中の世代ですし、彼女自身への影響力も大きそうですね。

      >何かのTV番組で喉を傷めていた時にこの歌を歌って思いっきり荒れた歌い方になってしまい頭サビ終わりに「ごめーん!」と謝っていたのが可愛らしくて印象に残っています

      これは99年のMステの年末のSPの時ですね。出だしのサビ部分で咳き込んでしまってましたね。自分もリアルタイムで見ていたので印象に残っています。^^

      ここから独り言です。
      30万枚限定のコラム記事の公開当時、1弾2弾共に人気が無さ過ぎて折れてしまい、
      この2章で止まっていましたが、今確認したら4章『SURREAL』編までほぼ出来てました。
      このコラムも現在では、他の記事と同じ位読んで貰えるようになっているので、
      2019年中には、時期を見てちゃんと3章以降もアップしたいと思います。

      • flat より:

        ご返信ありがとうございます
        続きも楽しみにしていますね^^