DAOKO Feat 神山羊「24h」レビュー 打上花咲く リズムデザート

シャッフルレビュー特別篇。

2019年に筆者が聴いた曲の中から、第1位に選んだのはこの曲

 DAOKO Feat. 神山羊「24h」

作詞 DAOKO 作曲 DAOKO、神山羊

2018年12月12日発売のAL『私的旅行』収録曲。

任天堂×CygamesアクションRPGアプリ「ドラガリアロスト

2019年バレンタインイベント挿入歌。

ファンタジーなリズムサウンドが光り弾ける、

平成最後の王道デュエットPOPS(☆4.5)

以前は、プレミアム限定公開だった公式音源が、一般開放されたので紹介します。

長い目で見れば絶対この方が双方に有益だと思うので嬉しいです。

24h (Feat. Kamiyamayoh) Daoko

ちょっと不思議な2人の距離感の歌詞も良く

全体的にPOPで、宇宙・ファンタジーを感じさせるようなサウンドで鮮やかに彩られた世界観だが、甘くなり過ぎず

POPSの王道感もあるクライマックスに入るブラスソロもやはり良いアクセントになってる!デザート(否スイーツ)に添えたミントな感じで渋くて良いバランス。

程よく切ない余韻を残してドラマチックに終わるラストの余韻も良き。

平成最後の 最高デュエットPOPS

神山羊とのコラボでデュエット曲という事で、

前年の「打上花火」での米津玄師との大ヒットコラボの2匹目狙いを強く感じるが

どうやったって曲を取り巻く背景のパワーバランスでは「打上花火」の独占状態だ。

しかし「打上花火」と比べられる運命を背負いつつも、ちゃんと期待を上回るポテンシャルを持った楽曲に仕上がっている。

「24h」の方が、神山羊というネームも含めて適度なバランス感が揃っていて心地良い。(個人的にはこの曲で神山羊を知ったので、彼のCDも色々聞きましたが、有機酸時代の曲の陰鬱で切ない感じが好きだ)

今回の記事作成にあたり知りましたが、ゲームのバレンタインイベントの挿入歌だった様で、アレンジや歌詞の”キャンディ”等も含め、バレンタイン/ホワイトデー曲としてもイメージされてたのかもしれません。華やかで切ない感じもマッチしますね。

、DAOKOと神山羊の歌唱のバランス感(2人で歌うサビがわかり易い)が丁度良くて、ちゃんとお互い引き立てている感じ。(神山主線のDAOKO高音ハモリ?)

この掛け合い、LIVEやカラオケ等で息の合う2人で歌ったら超絶ハイになると思う。

後は”24h 無我夢中に勘違いしたい”の”したい“で、振り落とす様な切り方も最高。

久々にデュエットで歌うべき売れ線POPS、これぞJ-POPだ!!という曲に出会った印象です。

これで、ヒットせずとか難解過ぎて逆にテンションMAX。

まあ実際、「打上花火」に続く大ヒットになってメディアでもガンガン扱われていたら

個人的に醒めてしまって、年間1位に選ぶほどの熱量は持続しなかったと思うので

そういう意味では、セールスや認知度と引き換えに作品が見世物になって消費されてしまうよりは

大衆化せずも、高鮮度をキープしつつ付き合っていけるのは、より長く

リスナーからも大切に愛される面もあると思うので、これはこれでとても幸運な事だが。

歌番組やLIVEなど、あえて「打上花火」位しか知らない人達の前で2人でこの曲をさらっと披露したら「はい出た2番煎じ・・・・あれ、よくね!?」とかなりインパクトを残せると思う。

もう発売から1年半近く経とうとしているが、今からでも遅くない。

この曲は今後のDAOKOのメジャー活動や神山羊の一般認知へのキーとなるだけの可能性のパワーを持っていると思う。

別の魅力を引き出すDJ ラップVer

オリジナルのインスト音源に、恐らくファンの方の歌ってみた音源と思われますが

オリジナルには無いRapアレンジの歌唱スタイルで、原曲を好きな方もとても新鮮な気持ちで聴けますし、普通に商業作品としても通じるクオリティだと思うので、これはこれでこの作品の別Verとして、有りだと思います。

もともとラップシンガーであるDAOKOにとって、このアレンジVerはもうひとつの自然な魅せ方かもしれません。

DAOKOの歌は、イケナイことかい?

自分が彼女と出会ったのは、岩井俊二監督の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のアニメ映画化の時。

当時の映画化についての記事

ご存知その主題歌「打上花火」が、DAOKOと米津玄師によるものだった。

その後、岡村ちゃんとの「ステップアップラブ」もチェックはしていたが

彼女というより、それぞれのSg曲に触れたという認識で

きちんとアーティストとしての彼女に触れたのは、その後のメジャー2nd AL『THANK YOU BLUE』。

それ以来、ずっと自分の中の彼女のイメージはAL収録曲の

ゆめみてたのあたし」という曲そのものだった。

彼女の歌声を聴く度に、イケナイ事をしている様なドキドキ感があった。

歌声の音域なのか波長なのか分からないが、ダウナー系とも、またちょっと違うベクトルで精神が不安定に揺さぶられた。

未成年“とか”援助交際“とか”不倫“などのキーワードが連想されるような

ちょっと表に出してはいけない不道徳な物に触れた様な、ドキドキする物

だった。

その後、1st ALやインディーズの作品郡を聴いていったら、このメジャーALからこれでもだいぶPOPに転化されていると解ったが。

それから約1年後のメジャー3rd AL『私的旅行』(「24h」も収録)は、さらにそこから2歩くらい健全な方に歩み寄ったPOPSになったという印象を受けた。

そのイケナイ雰囲気に魅力を感じていたリスナーは、残念な所も多いと思うが

そんな訳で個人的には、この『私的旅行』を聴いてから(過去の作品も含めて)彼女の歌声を、他のアーティストと同様に聴けるようになった。

変化していくことは戸惑いもあるかもしれないが、進化することはまたひとつ引き出しが増える事でもあると思うので、今後も新作を待ちたい。

「24h」イメージイラスト

今回「24h」のイメージジャケットを描きました。

こちらです。

DAOKO「24h」Image illust

テーマは80年代のブラウン管TVと夜更かしみたいな感じで。

見た人の半数以上は、24hのロゴからジャック・バウアーを思い浮かべるかもしれませんが

色付け終えた後に、そう言えば海外ドラマの『24』のロゴってどんな感じだったっけ?と検索してみたら

「ゲ・・・めっちゃインスパイアしてるじゃん」と気がついて色だけでも塗り直そうかと思いましたが

ここでやり直したら、余計意識してる事になるんじゃ・・・と思い直して止めました。

書いた時にはドラマの事は全然意識せずタイトルの”24h”を目立たせたいと思っていたのに

後から見たらTVや海外ぽい配色イメージ等含めて、潜在意識に強く刷り込まれてたんだろうなと影響力の大きさと恐怖?を感じました。

と言う事で、今回は2019年の年間1位曲に選んだ

DAOKO24h Feat.神山羊」楽曲レビューでした。

もう5月ですが、次回はAL部門の発表も含めた

2019年ベスト曲集のまとめ記事にしたいと思います。お楽しみに

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