浜崎あゆみ「HANABI」レビュー CCCDでミリオンの意味と 3和音の着メロ

シャッフル再生された10曲の中から1曲をセレクト。
 
そんな音楽レビュー第2弾。
 
今回は浜崎あゆみさんの「HANABI」です。
 

 
2002年7月24日発売シングル「H」収録。
 
本シングルは「Independent/ July 1st/ HANABI」のトリプルA面シングルで、
2002年唯一のミリオンセラーのシングルとなりました。
 
初回盤はジャケット違いの「ピンク・青・緑盤」がありました。
 
当時は、年々シングルのミリオンセラーが減少しており
2002年は本作が93万位で数千枚単位でセールスを伸ばしていたものの
10月の時点で、年間ミリオン作品消滅の危機にありました。
 
オリコンのセールス年間チャートの集計が毎年11月末頃までだったので、
avexが前のりで11月7日、”ミリオンヒット記念盤”という特別パッケージ仕様にしたものを発売し、
 
この駆け込みブーストにより、年間集計チャート期間にギリギリ101万枚位に到達した記憶があります。
※曲としてはその後アルバム『Rainbow』に収録されました。
 
当時CDセールスの減少の要因としてPCでのコピーが問題視されており、各レコード会社は対応策に追われる中、
 
特許などの問題もあると思いますが、avexは先陣を切ってその普及活動を行っていたと思います。
 
その中でも有名なのが「コピーコントロールCD(CCCD)」、
要はPCでのコピーを制御するプログラムが組み込まれたディスク(正式にはCDでは無い様)です。
 
本作もCCCDとしてシングル発売されています。
 
2002年から続々とCCCD作品が増えるのですが、
PCでのコピーが原因でCDセールスが減少している“という名目で強行した策なだけに、
 
反発も多かったCCCDにして、さらにCD全体の売り上げが落ちたというニュースばかりでは、その戦略の失敗が浮き彫りになってしまうので(もちろん、avexだけが責任を感じる問題ではありませんが)avexとしても毎年続いてきたミリオンセラーの消滅は避けたかったでしょう。
 
ということで、この作品の強引なミリオンセールスに関しては、
「ほら、やはりPCでのコピーが問題のようですね!今後もセールスアップのために、CCCDを積極的に展開していきますね!!」という企業的アピールを感じてしまいます。
 
iPodも初代が2001年10月に発売され始めたばかりで、まだまだMDが第1線の時期でした。2000年頃からインターネットが一般家庭において爆発的に普及(PC所有率も大幅に増えた)した事で
CD-R等に焼いて聴く人が増えたのも事実で、ダビングがデジタルで行い易くなったのも事実でしょうが、単純に音楽業界のバブルが終了したというのも大きいと思います。
 
表向きは、PCでのコピーによるセールス現象を食い止め、音楽業界を守るという事でしょうが
CCCDは正確にはCDという規格には分類されていなかった事からも
 
本心としては、先陣を切って今後におけるCDという超巨大マーケットのフォーマットベース、つまりは特許をとってしまえば(コピープロテクトのベース狙いも含め)
avexはSONYに準ずるくらい世界的にも飛躍&安定するかもしれないという、勝負策だったかもしれません。
 
 
もちろん当時彼女自身の人気も高かったですし、曲も佳曲で普通にリリースしても50万以上は売れたと思いますが。
 
そんなこんなで、本シングルのミリオンには、色々な時代背景が見て取れると思います。
 
※その後、CCCDにおけるデメリットの方が浮き彫りになり、avexとしては2004年9月、彼女のシングル「CAROLS」で方針を変更。
 
あゆの夏シングルは「Boys & Girls」 「A」「H」「&」「fairyland」「Blue bird」「glitter」など数多くあり、特に活動初期は複数A面収録の、特別感のあるシングルが多かったですね。
 
夏シングルとして好きなのは、
ダントツで「&」(「ourselves/ Greatful days/ HANABI~episodeⅡ~/theme of a-nation’03」)ですね。
本作「HANaBI」も、やはり「~episode Ⅱ~」の方が好きでした。
 
正直本作は、音数も少なくシンプルなバラードで、
花火の哀愁感を出す狙いだと思われる、リズムの途切れ途切れ感が苦手で
あまり好きではありませんでした(初回青盤、ミリオン盤も買いましたが)。
 
でも、1年前くらいからやっと、この静かな哀愁はこれはこれで良いなと好きになってきました。再生回数は今調べたら約4年で30回弱でした。
 
思えばBoys & Girlsを好きになったのも3年くらい前とかなり、時を長く経てから好きになることも多いのでこの曲もそんな半スルメな1曲でした。
 
この曲は短いSPOT部分だけPVがあるのですが(探しましたが見つからず)、その映像がTu-Ka(携帯)のCMともリンクしており
 
雨に打たれながら、泣きながらHANABIを鼻歌で歌う彼女。
そこで携帯が鳴り、その着信音がこの曲で。それを見守る黄色いカッパの子供達。
という様なCMでしたが(防水性能のアピールという訳では無い)。
 
その着信音の音が、推定3和音で(2000年前後に携帯使用した人しか分からないかも)、
決して流暢な音では無いし、機械っぽい人工的な電子音なのだけれど
その音で奏でられるこの曲は、最高に切なくて響いてくるものがあり、その「HANABI」着メロバージョンは原曲とは正反対に当時から大好きでした。
 
今思うと実際のバンド演奏やオケで歌う楽曲というよりも
タイアップCMの、その電子音(着信音)に映えるメロディーを最重視して、メロを作ったのでは?と思うくらいで
もし、そうだとしたら、自分の反応はある意味正解だと思うが、まあただの妄想です^^;
 
 
オリジナル以外のオススメRemixとしては「HANABI”Lange remix”」というトランスミックスがサウンドが好きです。
 
ということで、今回はその曲そのものというより関連することについての内容が多くなってしまいましたが
 
季節柄も考慮し、優先して本作を選びました。今後も臨機応変にレビューしていきたいと思います。
 
ちなみに今回の候補から漏れた他の9曲にはB’z、hitomi等の楽曲がありました。
 
次回もお楽しみに。
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