hitomi「SPEED☆STAR」レビュー 星になった サムライ†DRIVER

シャッフルレビュー第45弾。今回はこの曲です。

hitomi「SPEED☆STAR」

2004年4月28日発売。27枚目の両A面Sg『心の旅人/SPEED☆STAR』収録曲。

・作詞 hitomi/TRIPLAME ・作曲 TRIPLANE ・編曲 根岸孝旨

東芝「A5504T(au)」CMソング

ドライで開放感のあるロックナンバー。ロックバンドTRIPLANE「スピードスター」のカバー。

PVがこちら

hitomi / SPEED☆STAR   (avex)

このPVはアメリカン・レトロカラーのPVですね。奥様は魔女とかの時代な感じ?

ただ、この殺風景なCGと 線が細く覇気の無いhitomiが相まって、安物ペラペラ感があるのがなんとも微妙な感じに。

グリーンレーザーのディスコ風のシーンはまだ躍動感があって好きですが。

『SAMURAI DRIVE』の後光     

埋もれていたCUNEの2001年のB面楽曲をカバーし、大ヒットとなった「SAMURAI DRIVE」(2002)は、彼女としては「LOVE2000」(2000)以来のスマッシュヒットとなり、紅白にも返り咲くなど、楽曲はもちろんや和服と近未来をミックスしたビジュアルもインパクトがありました。

hitomi / SAMURAI DRIVE (avex

イケイケ感(死語)溢れる楽曲とPVです。この近未来サイバー感がまさにavexって感じですね。

ジャケ写は、着物xサングラスで完全にあゆでしたね。

SAMURAI DRIVE

それまでは、割とあゆサイドに美味しく参考にされていた側のhitomiでしたが、このリバースアタックは、なかなかロックで好きでした。^^;

ちなみに後年の後藤真希「横浜蜃気楼」(2004)

“和とサイバー”という、ビジュアルテーマは「SAMURAI ~」にインスパイアされたものだと思われ。

曲に関しては置いておきます。PVはアジア映画っぽいシーンとピンボールのアイディアはカッコ良いですが、どこか惜しい感が。(スポーティーグリーンはリリース時期のW杯を意識したか)

分かった!他はカラーも鮮やかでクリアな色調で統一されているのに、顔アップ(背景赤)のリップシーンだけ、モヤが掛かった様な色調で安っぽく感じるのかな。そこが惜しいのかも。

あとは会社のセンスの問題・・・とはいっても、この時期の彼女としてはかなり凝ったPVで好きですが。

さて、そんな楽曲のパワーはもちろん、ビジュアルインパクトも抜群だった「SAMURAI DRIVE」から約2年、その間何枚かのシングルや休養もありました。

別記事参考 hitomi「flow」レビュー なくしちゃいけないもの 瞳が魅せた最後の闇

そして、休養から復活し

次にhitomiがカバーしたのが、TRIPLANEの「スピードスター」です。

TRIPLANEの「スピードスター」

前回のCUNEは別のレコード会社で、まさに発掘感があったのに対して、今回のTRIPLANEは、同じavex所属で尚且つデビューを控えていた時期でした。

バンドとしては、hitomiのSgから約半年後の10月「スピードスター」でデビューすることになります。つまり本家よりも約半年先行する形でリリースされました。

この場合、普通はhitomiに提供した楽曲を、バンド側がセルフカバーという名目の気がしますが・・・。まあ、あくまで”新人による楽曲提供”というよりは、”期待のバンドの楽曲をカバー”とした方が、レコード会社的に都合が良かったのでしょう。

サウンドアレンジはもちろん、歌詞についてもサビがほぼ同じだけで、それぞれ内容も違っています。

今回レビューを書くにあたり、文字に起こして気がついたのですが、タイトルに✩(星マーク)が入ってたんですね。「○○~ネ」「○○~ケド」など記号も含め

その後の彼女の自称”キラキラ歌詞”の時代へと、徐々に変貌を遂げるフラグがここでも立っていたのですね^^;

ちなみに原曲のTRIPLANEのPVも紹介します。

TRIPLANE / スピードスター (avex)

個人的に、今でもこの曲は「好き」というより、「嫌いじゃない」という印象が強いです。5点満点で言うと、2点代の2.6位。決して3点代には届かないライン感がありますね。

しかし、時々思い出したように無性に聴きたくなるし、TRIPLANE版もこの曲のために何枚かCD買いました(Version違いの為)。好きというより気になる曲で、バージョンによって大化けするような気がするけど、いざ聞くとそこまでブレイクしないというか。

PV(hitomi版)がこの曲をよく表しているのかなと。良くも悪くも色も薄く軽い感じ。カラッとしていて、深く入り込む訳ではないけど、BGMで流れてたらそこそこ乗れる心地よさみたいな。

自分は、基本的にこういうクセのないストレートな曲を好きになることは少ないのですが、ふだん味の濃かったり変わった風味の曲ばかり聴いているからこそ、時々こういうシンプルでまっすぐな曲に惹かれるのかなと思いました。

いつも ねぎ味噌やとんこつ味が好きで食ってても、時々は塩や醤油でいきたい時もある。そういうことか。

自分にとっての醤油曲。

今回はhitomi「SPEED☆STAR」でした。

次回もお楽しみに。

コメント

  1. 匿名 より:

    LOVE2000(ラブトゥーサウザンド)安室奈美恵 2000年1月1日発売 22.8万枚
    LOVE2000(ラブにせん)hitomi 2000年6月28日発売 37.3万枚

    心の旅人/SPEED☆STAR hitomi 2004年4月28日発売 1.1万枚
    GIRL TALK/the SPEED STAR 安室奈美恵 2004年10月14日発売 10.6万枚

    安室とhitomiは近いリリース時期に同タイトルのシングルを発売した機会が2回ありました
    最初のLOVE2000は読み方が違うとはいえわざわざ全く同じタイトルをぶつけてオリンピック金メダリストの力も借りて(政治的なものを感じます)売上を安室より伸ばしたことにhitomiサイドの安室に勝ちたいという執念を感じました
    次のspeed starは安室サイドがこの時の意趣返しをしたんじゃないかなと思っています
    hitomiのLOVE2000はLOVE2000というタイトルでなくてもいいような内容でしたが
    安室のthe SPEED STARはタイトルも微妙に変え内容もちゃんとspeed starというタイトルに合致した内容で1枚上手だと感じます
    リリースの間隔がどちらもちょうど半年空いているというのがお互いのリリースを見て対抗作品を作ったと言う感じでリアルな印象を受けます

    ただの妄想で事実はわかりませんけどそう考えると面白いなと思いました

    • tona より:

      「LOVE2000」に関しては、そうですねあからさまに被せてきたと思われても仕方ないですね。
      個人的にはタイトルを付ける時、TK「奈美恵ちゃんにクールに2000年における愛の定義を歌って欲しい」、hitomi「(ファッションアイコン感覚で)LOVEトゥー?・・・ラブニセン、お洒落じゃん?」深読みせずラフに決めたというそれぞれのイメージですね。ちなみにhitomiのこのSgは3月にタイトル未定で発売予定でした。

      >金メダリストの力も借りて(政治的なものを感じます)売上を安室より伸ばしたことにhitomiサイドの安室に勝ちたいという執念を感じました

      さすがにそこは考え過ぎかなとは思います。(avexとしては棚ボタだったハズです)ただ、その後の2匹目のドジョウ狙い感のある楽曲についてはその意図は、否定しません。まああからさまに仕掛けられていても、逆にリスナー側から拒否られてしまうのですが。

      そして、何より「LOVE2000」のセールスについて。この点については(匿名さんへの批判ではなく)恐らく同じように捉えてい一般リスナーの方も多いと思うので、少し補足を。

      高橋尚子効果が大きく取り上げられがちですが、確かに紅白初出場やALへの一般層の取り込みはそれが大きいと思いますが、セールスに関しては、各タイアップ有りの4A面Sgで、6月発売で初動セールスからドカンと売れてhitomiSgとしては久々の大ヒットになっていました。
      そこへ、8月?のオリンピックの時期?に高橋尚子の効果が追い打ちをかけ、その後はご存知のようなその年を象徴するような1曲にまでなることになりました。要は、結果として高橋尚子の存在も大きくなっていますが、彼女にとって、もともと久々のヒット曲だったという事実もここの読者の方には分かって欲しいと思います。

      >次のspeed starは安室サイドがこの時の意趣返しをしたんじゃないかなと思っています

      LOVE2000は当時から思っていましたが、スピードスターは忘れてました。確かにそうして比べると面白いですね、しかもそれがどちらも、その後反比例するようにセールスが移ろいで行くというのも。

      安室とhitomi、こうして二人を比べることで再発見できたことが色々ありました。
      考察コメントありがとうございます^^

  2. 匿名 より:

    邪推が過ぎたようで御不快に思われたら申し訳ありません
    丁寧でお優しいご返信をありがとうございます

    安室のthe SPEED STARは彼氏の愛車を自分の方が上手く運転できるわよという歌詞なんですが安室はこの時期ペーパードライバーを歌番組なんかで公言していてご本人はガレージから車を出すのもおぼつかないレベルなんだそうです
    自分の現実と歌詞世界が近い浜崎やhitomiと違って自分の現実にない世界も軽く娯楽として歌いこなす姿勢が当時からカッコいいなと思っていました

    • tona より:

      いえいえそんな事ありません、お気になさらず。^^

      あまり歌詞を意識して聞かないので、「the SPEED STAR」の歌詞はそういった世界観だったんですね。アッパーに突き上げるサビがクールで好きな曲でした。

      >自分の現実と歌詞世界が近い浜崎やhitomiと違って自分の現実にない世界も軽く娯楽として歌いこなす姿勢が当時からカッコいいなと思っていました

      これを読んで確かに、そうだなあと思いました。
      彼女の場合は、極一部で作詞した時期もありましたが、昔から一貫して歌い手(パフォーマンス)に専念して、作られた作品を”どう魅せるか”に徹してますよね。

      本来の自分とは違う詩の世界観の曲でも、現実味と説得力を兼ね揃えたパフォーマンスを行う。
      そういう意味では、元来の女優タイプの方なのだろうなと思いました。カッコイイですね。こういうスタイルが一貫しているスターは、今後何年経っても新規ファンが増え続け、憧れ続けられるのだろうなと思います。

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