m-flo「L.O.T.(Love Or Truth)」レビュー 愛と真実は 流れのままに受け止めよう

シャッフルレビュー第53弾。

今回は最近再始動したグループの、織星と彦星もひとつになれる様なこのナンバーを選びました。

愛と真実の行方を探して「L.O.T」

 
m-flo 「 L. O. T. (Love Or Truth)」 
・作詞 lisa,verbal,taku,H.U.B ・作曲 lisa,verbal & taku
 
1999年11月25日発売のSg、「chronopsychology」と2枚同時発売された。
テレビ朝日系 ドラマ『ベストフレンド』主題歌。(✩3.3)
 
ドラムエフェクトも特徴的なミディアムバラード曲。
 

m-flo / L. O. T. (Love Or Truth)  (m-flo official)

秋になると聴きたくなります。主題歌だったドラマはたしか加藤あいが出てましたね。曲が好きだったので、どんな風に使われているのか、当時OPだかEDだけチェックしてた記憶が。

印象的なサビ歌詞もはもちろん、2番のRap詩も耳に残って好きですね。マンション?背景のジャケットは普通でしたが、全体的にこの楽曲に関しては、ほぼ好印象しかないですね。

洗練されてても、間口は狭い?

been so long」を含む1stSgがいきなり初登場TOP10入でランクインした時に、この力の抜けつつも洋楽風のセンスのある人たちという印象で、インパクトありました(累計14.4万枚)。

続く2ndSg「Mirrorball Satellite 2012」はカッコイイけどちょっと先進的で、このあたりで一般リスナーは置いてけぼりな印象が着いたのが痛かかったのかもしれません(累計5.3万枚)。

2枚同時発売の3rd4th続くSgとしては、共にドラマ主題歌と映画「黒い家」主題歌という高待遇で、どちらも売れ線でしたが、両作ともオリコン最高位が30以前後の成績でした。

あれ、結構良い曲なのに売れてない?とちょっと驚きでした、最終セールスは『L.O.T.』(8.3万枚)『chronopsy chology』(5.8万枚)。

その後も、最先端かつ独創的なサウンドメイクで、ダンスミュージック好きのリスナーは支持していたでしょうが業界人の人気は高かった(当時アーティストの好きな作品のアンケート等でもよく名前が挙がっていた)ですが一般的にはやはり、手を出しにくいイメージが付いていたのかもしれません。

ターニングポイントとなったのは、8thSg「How You Like Me Now?」ですね。CMタイアップも大きかったと思いますが、この曲で分かりやすくJ-POP色も強めに出した事が、功を奏したと思います。(サビの「もっと正直になって良いんだよ」のLISAさんのニュアンスもデカイと思う)

1万台まで落ちていたSg売上も22.4万枚と一気に自己最高更新、そしてその次の最大のヒットSg「come again」(39万枚)に繋がるわけです。

やはり、文字にすると違う感じもするけど大きなヒットには”庶民感”(親しみやすさ)は大事だと思います。飲食店でも洋服屋でも、洗練されすぎていても、一般人は入りにくいことってありますよね。

絶対お洒落だし、品質は良いのは分かってるけど、ちょっと敷居が高くて敬遠してしまうというか。そこで、ちょっと分かりやすいPOPさ(アクセント)を強めに出すことで、一気に手に取りやすくなるというか。そんな感じに近いですかね。

さて、この「L.O.T.」の伸び悩みの話題で、ふと気づいたことが。これと同時期99年秋の音楽業界でも、他にも印象的に売上を落としていたアーティスト達を思い出しました。

99年秋は鬼門!?

この99年秋って何か鬼門なんですかね?代表的な例を挙げますと

鈴木あみBETOGETHER」(87万)⇒「OUR DAYS」(46,7万)

このアミーゴの下落率 約50%なんかは全然良い方で、

華原朋美as A person」(28.7万)⇒「be honest」(5.1万)

Hysteric Blueなぜ」(58.4)⇒「ふたりぼっち」(7.9万)

あたりは印象的でしたね。レコード会社の悲痛な声が聞こえてくる様です。

特にHysteric~は、アーティストが支持されてのヒットというよりも、あくまで曲が支持されていたという痛烈さがなんとも。

個人的には上記作品はどれも、売上を落とした曲の方が大好きだったので複雑でしたが。

セールス参考 『シングルチャート大辞典』

再始動の「L.O.T」のステージング

m-floといえば、LISAさんが2002年に脱退後は、メインVoを固定化させずに、その時々で様々な歌い手をフィーチャーして活動してきていましたが、

2017年12月に初代メインVoのLISAさんが再びグループに加わり、再始動しています。

そんな新体制での「L.O.T.」のライブ映像も紹介します。

m-flo / L.O.T. (Love Or Truth) [LIVE 2018]   (JAPAN WeAreEDM

LISA、verval 両氏の金髪ショートヘアーが被ってるのが狙いなのか気になるが、この曲の切ない世界観は不滅ですね。

良い意味で全然変わってない。=成長してないという事では全く無くて。

純粋に20年近く経っても当時と変わらないステージングというのは、努力無しでは有り得ない物なので、“変わらないものは何もない” からこその力強さを感じました。

ということで、今回はm-flo「L.O.T. (Love Or Truth)」 の楽曲レビューでした。

音楽以外の記事も上げるかもしれませんが、次回もお楽しみに。

コメント

  1. 匿名 より:

    L.O.Tって加藤あい主演のドラマ主題歌でしたっけ、女子高生主演の学園ものとm-floって食い合わせが悪そうな・・・come againタイアップの化粧品のCMにも加藤あいが出ていたしなぜか縁がありますね
    ヒップホップを日本語で歌える女性歌手LISAのボーカルは当時貴重で彼女の早期脱退によるリスナーの渇望感が同じくヒップホップを日本語で歌えるCrystal Kayのブレイクを呼んだのではと思ってます
    MISIAも宇多田もラップのイメージないですからね

  2. tona より:

    >女子高生主演の学園ものとm-floって食い合わせが悪そうな・・・

    コメントありがとうございます。そうですね、それは思いました。楽曲の世界観が完成されているので、当時EDを見ててもミスマッチな印象だった気が(歌詞は若者の葛藤に寄せてはいますが、サウンドが大人っぽくて洗練されすぎたか)
    しかも今見たらOPは浅倉大介プロデュースのpool bit boysだった様です。ある意味若者ドラマとしては、こっちで合ってるのかもしれないが、m-floとの落差もカオスですね^^;(曲は知りませんし、あくまでOPも未視聴での印象ですが)。

    また、このドラマは加藤あいさんと前田愛さんとのW主演だったようです。今、あらすじを見ると、学園物に歌モノ要素もあったり、面白そうなんですが、本編を見た記憶が無いですね。裏番組に、HEYHEYHEYや、時代劇なども合ったので、家庭内のチャンネル争いが要因(かろうじてEDだけ見るので精一杯)だったと思いますが^^;

    今、コメント書きながらベストフレンド関連の動画を見ていたら、前田愛と後の旦那の官九郎氏が劇中で抱き合っているシーンが流れて、ここで出会ったのか!!と感慨深くなりました。が、さらに調べたら、旦那はこのドラマに出演していない様で、謎です(9割本人の気がするが)。

    >ヒップホップを日本語で歌える女性歌手LISAのボーカルは当時貴重で彼女の早期脱退によるリスナーの渇望感が同じくヒップホップを日本語で歌えるCrystal Kayのブレイクを呼んだのではと思ってます

    たしかに、R&Bの歌姫は大勢いましたが、当時のLISAさんのスキルは珍しかったかもしれませんね。クリスタルケイは、新ボーカル第1弾の「I LIKE IT」でボーカルに選ばれて、この体制で行くのかと思いきや、毎回入れ替えていくスタイルになりましたね。結果としては、2代目Voを固定にしなかった事が、その後も長期間m-floを続けられた勝因とも思いますが。

    長々書いてしまいましたがLISAさんも復帰という事で、今後の彼らにも期待ですね。

  3. 匿名 より:

    https://www.youtube.com/watch?v=7hSRg2dOXJk
    前田愛主演のドラマ「光の帝国」(2001)の動画ですが2分6秒辺りから共演者の中村勘九郎と抱き合うシーンがあるのでこれのことではないでしょうか?このドラマが結婚のきっかけだったようです

    99年秋の下落率に関しては
    鈴木あみのBE TOGETHERはこの曲だけ買うライトリスナーが増えただけであってOUR DAYSで元々の売上(Nothing Without You、white keyが大体40~50万枚ほど)に戻ったという事ではないかと思います
    華原朋美のas A personは長期休養後の復帰シングルでそのご祝儀と内容のセンセーショナルさで特別売れたんだと思います。その前のシングルのdaily news(小室ラスト)が5.8万枚くらいでbe honestと同じくらいですね
    Hysteric Blueは・・・あまりにもJUDY AND MARYに似過ぎていることでJAM休業中の穴埋めで売れたのがそろそろ飽きられたのかな?と・・・調べてもわかりませんでしたがJAMの復活が報道されたのがふたりぼっちの時期だったのかもしれませんね
    ヒスブルはJAMとレコード会社もプロデューサーも同じなんですが最初から繋ぎでデビューさせたのかなと思うくらいJAMに似ていました
    Little Tripが特に初期JAMそのまんまでCDショップ店頭の宣伝ポップにも「JUDY AND MARYにそっくり!」などと描かれていたのを思い出します^^;

    • tona より:

      >前田愛主演のドラマ「光の帝国」(2001)の動画ですが2分6秒辺りから共演者の中村勘九郎と抱き合うシーンがあるのでこれのことではないでしょうか?

      情報ありがとうございます。これです、どうやらこの映画のシーンが、前田愛さんのファンの方が編集した動画に混じっていた様です。二人の出会いにもなった映画だったんですね、すっきりしました。

      下落率~についての丁寧なご指摘、ありがとうございます。
      そうですね。鈴木あみ華原朋美に関しては、確かに通常営業に戻ったという捉え方のが自然ですね。直前Sgが確変的なセールスアクションだった事も認知していましたが、記事中ではインパクト重視で下落部分にのみフォーカスを絞ってしまったので、あまり良い書き方では無かったかもしれません。今後の参考にしますm(_ _)m

      >Hysteric Blueは・・・あまりにもJUDY AND MARYに似過ぎていることでJAM休業中の穴埋めで売れたのがそろそろ飽きられたのかな?と・
      >JAMとレコード会社もプロデューサーも同じなんですが最初から繋ぎでデビューさせたのかなと思うくらいJAMに似ていました

      そういう意味では安室休養中に、知念里奈が「WING」等でプチブレイク(翌年沈静化)したのに似ているかもしれませんね。
      「春~」と「なぜ・・・」が楽曲が爆発的に支持された印象で、個人的には当時から「ふたりぼっち」一番推しでしたが、この落ち込みはJAMもまだ復活前ですし、単純に曲が地味で求心力が無かったという事でしょうね。

      ここから、また脱線話になりますが
      今でも強烈に覚えているのが、当時Hysteric~が多分「なぜ・・・」、YUKIがNinaとしてMステで初(?)共演した時にこの二人に注目していたのですが、歌は完全にYUKIを手本にして模倣してはいるが、匿名さんの仰るように、レコ社もプロデューサーも同じという事は、これはもう確信犯であり、言わば身内同士と言える気もしていました。
      VoのTamaさんも(多分)YUKIさんをリスペクトしていたと思うので、初共演で終始テンションアップなのかと思いきや、Tamaさんのテンションは低く、終始居心地悪そうな感じと、(左右2色に別れた強烈ヘアスタイル)YUKIさんは常にゲラゲラと笑顔ではあるのですが、無言の高圧感(”余計なこと言うなよ”的な、あくまで印象です^^;)が出ていまいた。

      YUKIさんもHystericも好きですが、そこで、同じタイプの世界観だから、と共感を生んだ上で勝手に両者が手を取り合う感を、想像してしまうのはリスナーサイドの思い描く綺麗事なのかもしれないと感じました。
      歌声一つにしてもそれを武器に商売しているビジネスの世界は(かつ女同士)、もっとストイックなのかもしれない、そしてその位の器でないと生き残っていけないのかもしれないと、察しました。
      (あくでも自分の感じた事であって、実際の事は分かりませんので悪しからず)

      • 匿名 より:

        光の帝国は映画ではなくNHKのテレビドラマですよ~^^;
        下落率に関しては責めるようなコメントになってしまっていたらごめんなさいm(_ _)m

        そう言えば知念里奈がWINGでプチブレイクしたのはちょうど安室の産休中でしたね
        ただこの曲で知念は全く踊らず歌唱に専念しているので安室の穴埋めともまた違う理由で売れたような気がします
        サウンドも歌唱も歌詞も青一色のPVも本人の衣装や髪型も爽やかで清純そのものイメージだったのでキャッチーなメロディと共にそのクリアさが独自性があって支持されたという印象です
        こうした清らかな良質ポップスで攻めれば安室の復帰後も十分存在感は保てたと思うんですがなぜか翌年からロック路線に移行して人気が下がってしまうんですね・・・
        極めつけが変なメイクと衣装と歌詞が悪い意味でインパクト大のCLUB ZIPAUGUで今で言う「ダサカッコいい」路線だと思うんですが知念はこういうシャレと全くもって相性の悪いキャラなのでせっかくのリッキー・マーティンカバーも生かせずそのまま歌手としてはフェードアウトしてしまいました

        YUKIとTamaの直接対決(違う^^;)は見たかったですねえ~やっぱり居心地悪そうに見えましたか、YUKIの笑ってない目とか想像するだけで怖いですねえ

        • tona より:

          教えてもらったのに思い切り勘違いしてました。ドラマでしたね。いえいえ、下落率~の事もどうぞ気になさらずm(_ _)m

          >こうした清らかな良質ポップスで攻めれば安室の復帰後も十分存在感は保てたと思うんですがなぜか翌年からロック路線に移行して人気が下がってしまうんですね・

          確かにロック路線は「YES」がそこそこヒットしたのが、逆に良くなかったのか、1年半後にベスト先行Sg「Baby Love」で久々にダンスサウンドになるまで、頑なにロック路線を続けていましたね。

          >極めつけが変なメイクと衣装と歌詞が悪い意味でインパクト大のCLUB ZIPAUGUで今で言う「ダサカッコいい」路線だと思うんですが知念はこういうシャレと全くもって相性の悪いキャラなのでせっかくの

          レコード会社も同じだった、完全に(昨年の)郷ひろみに続け!な年末お祭りソングという狙いだったのでしょうが、この(下衆・ダサ狙い)楽曲を活かせるのは当時ならばMAXのキャリアを持ってもギリギリかなと思うくらいで、当時の知念ではそこまでの余裕も感じられないし、確かに彼女の爽やかなイメージとも相性悪いですね。

          この当時のタイミングだとキャラ的にはSILVAがバッチリはまりそうです。あとは後の倖田來未辺りが活かせる楽曲ですね。インパクトのある曲だと、やはり歌い手のパーソナリティーとマッチしていないときついですね。
          個人的にも、当時の彼女のR&B路線は好きだっただけに、この曲は未だにトラウマですね。

          • 匿名 より:

            お優しいコメントありがとうございます^^
            知念は末期にR&Bに挑戦してそこそこ評価は高かったと思うんですが時既に遅しでしたね・・・「YES」のタイミングでダンスしながらR&Bを歌うシングルをリリースしていたら宇多田ブームに乗りつつうまく宇多田と差別化も図れてよかったのではと思いました
            すいませんCLUB ZIPA「N」GUでした凡ミスです^^;これはR・I・N・A名義だったんですが流石に色物過ぎて知念里奈名義でのリリースは事務所やレコード会社もためらったんですかね
            サビラストの咆哮はなんだかヤケクソに聞こえて歌うの嫌なんだろうなと感じました・・・パフォーマンスはキレッキレだったんですがね
            SILVA懐かしいですね!ヴァージンキラーが好きでした、ただ全盛期の下ネタ全開開けっ広げ姉ちゃんのキャラは結構作っていたらしくて彼女でも無理があったかもしれません
            後の倖田來未なら多分あっさり歌いこなしてヒットさせてた気がします

  4. tona より:

    >これはR・I・N・A名義だったんですが流石に色物過ぎて知念里奈名義での

    そうでした。確かにR・I・N・A名義でしたね。コメントを見て思い出しました。イチかバチか勝負に出た姿勢は評価したいのですが、個人的にあのR&B路線のタイミングでは止めて欲しかったです。これが1年後だったら、企画物として見れて気にならなかったのですが。

    >ただ全盛期の下ネタ全開開けっ広げ姉ちゃんのキャラは結構作っていたらしくて彼女でも無理があったかもしれません

    それは知りませんでした。無理していたのですね。当時彼女の明るい下ネタ全開のラジオをよく聴いていたので意外でしたが、タレントとしてのSILVAはプレッシャーだったのかもしれませんね。
    たしかに周りが姉さん姉さん!と期待している感じでしたし、自発的なものと、世間(業界側)から求められるものを、計算して答えるのでは精神的にも違いますからね。

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