シャッフルレビュー第84弾。
今回はこちらの曲
UA「雲がちぎれる時」
・作詞 UA ・作曲 朝本浩文
1996年11月21日発売のSg曲で、AL『11』からのSgカット曲。
陰鬱なサウンドにのせて、光を求めるようなミディアム曲☆2.9
UA – 雲がちぎれる時 (Official Video) (UA)
プレイリストで聴くときはPVでいうところの22秒辺りからの再生開始にしてるので、
久々に最初から聴くとまた印象が違います。Portisheadぽいダウナー感もありますね。
記事のアップ前に歌詞をサッと読みましたが、すごく表面だけなぞると
雲が途切れた先の太陽に、翼を焼かれるとしても、光を浴びるその時を待ちわびてる
的な世界観の歌詞ですかね(ちとギリシャ神話ぽい?)個人的には歌詞の雰囲気も含めて好きです。
リリース当時TVや有線などで、「リズム」「情熱」は何度も耳にした事があって
UAリスナーになるまでの彼女のイメージはその2曲でした。だからこそ
この曲のジャンルもそうだし時間枠もズレた違和感があるので、
その2曲が収録されたAL『11』からのSgカット曲というのが
今でも嘘なんじゃないかと思う位、何度聞いても違和感が有る。
さて、この曲との出会いは
久々のSg「悲しみジョーニー」(97)か、AL『AMETORA』(98)リリース時の
『王様のブランチ』(当時は13時頃から番組内のコーナーとして『CDTV』の再放送とスタジオでの最新音楽コーナーが1時間位あった)でのTVプロモ時の、Sgヒストリー的なVTRで。
モノクロなPVと共にこの曲がすごく印象に残った。
UAは恋愛曲やR&Bの印象が強かった為、タイトルや歌詞も含めて
こういうスケールの曲も歌っていた事に驚いた。
(実際は初期から、地球や自然を想起させるタイトルや曲が多くあったのを知るが)
なんでインスト無いのか。
話は少し変わりますが、モーニング娘。結成の前身となったTV番組、
ASAYAN「シャ乱Q女性ロックボーカリストオーディション」の
1次?審査の際に、安倍なつみがこの曲を歌いたかったが、
Sg盤にカラオケが収録されていなかった為、断念してglobe「FACE」にしたという逸話も。
北海道の室蘭出身で大自然の中で育って来た安倍なつみが、この曲をリピして大きな夢を抱いていたと思うと、元来のややダークな内向少女性とも重なり、強いドラマ性を感じて聴いてみたかったが。
当時UAやCHARA辺りの元祖DIVA系(皮肉にもオシャレ系サウンドの方々)のSgはインストが入ってなくて
B面と2曲入りとかのパターンが多かった印象。まあその変わり値段が800円位で
インスト入りのアーティストは1000円な印象があるので、価格で還元してくれてるのかもしれないが、そこじゃない!!と思っていた。
98~99年辺りのMAXI移行辺りから流れは変わってきた感もあるが、現在でも頑なにインスト入れない人もいるし、考え方の違いなのでしょうが、
楽曲ヲタからすると、インスト音源はSg番のタイミングを逃すと、永久に入所困難の音源になってしまうケースが多い為、ぜひアーティストの皆さんには積極的に収録をお願いしたいです。
レコーディング事情に詳しい訳では無いので、的外れなこと書いてしまうかもしれないが
打ち込み系のアティストはもちろん、バンド系の方達ですら、ボーカルトラックは独立した形でレコーディング・記録される事が多いと思うので
ボーカルトラック、オフにしてくれるだけで良いし(アーティストによってコーラスの有無もありますがそこまで贅沢は言いません)、トラック数もかさ増しになってSg盤の立派なアピールポイントになるのに。むしろ何故収録しないのかが謎だった。
インスト=カラオケのイメージが大衆的過ぎて、ちょっと恥ずかしいとか、
変な替え歌とかに利用されるのを防ぐ(皮肉にも今の時代の方が超流用時代になってるが)とか、
そもそもこのアーティストの曲を気軽に歌って欲しくないとか、
この楽曲はVoがあって完成してるのだから作品としてインストはあり得ない!
とかあるかもしれないが、そういうことではなく。。。
インストも好き!という人は多くいるだろうが、インスト聞いて嫌いになったという人はほぼ居ないハズ。
そもそもインスト興味ない人は聞かないという選択は出来るけど、インストトラックの存在自体が無かったらそれすら選べないわけですからね。
純粋に楽曲をより色んな角度から楽しめて、リスナー側が より作品の世界を広げる可能性もあるのだから、その(聴きたい人は聴く事ができる)選択肢は欲しいなという事。
ここで、個人的に「雲がちぎれる時」の姉妹的雰囲気を感じる「歪んだ太陽」(98)のPVを紹介
UA – 歪んだ太陽 (Official Video)
これは、CD音源ではオケもありますが、PVではアカペラという珍しい形。
今語った、インスト音源が欲しいというのと真逆ではありますが、
Vocalトラックだけ聴きたい人には嬉しいレアケースですね。
ここまで、生の歌唱力と再現性が高いと(別にCD音源が正義という訳ではないですが)
こういうPVがあっても良いのかなと思わせられる映像ですね。
サブスク、配信移行期後の音楽業界へのリクエスト
2022年の配信主体となってきている音楽業界ですが
欲を言えばB面のインストも欲しいが、贅沢は言いません、
最低でもリリースの際は最低限A面曲のインストの収録はお願いします。(配信でもね)
多くのアーティストがサブスクを解禁してますが
ネット上(配信)だからこそ、これまでなかったインストVerも追加で解禁したら
様々なSNSや次世代のクリエイター達がカバーやリミックス、サンプリング等で活用される物も出てくると思うので
バズったり、そしたら原曲にも必然的に注目集まってリバイバル来たり(「め組のひと」や「ダンシングヒーロー」、世界からのシティーPOPs再評価の様に)、プラスの可能性の方が多いと思うので、音楽業界にこの流れ来ないかなと期待。
どこかの大物が先陣切ってくれれば、スタンダードになりそうな気もするんだけども。
最近のUA
2022年、数年ぶりに新作EP『Are U Romantic?』をリリースしたり、音楽活動が活発になってきた彼女。
その中で、個人的にはくるりの岸田さんとのコラボ曲「アイヲ」が好きです。
UA – アイヲ (Official Video)
岸田氏がCharaとクロスすると「Tiny Dancer」(17)が生まれ
UAとクロスすると「アイヲ」が。
どちらも初めは「ああ~こういう感じね」と思わせつつ
曲が進むにつれ評価が変わる所やサウンド面での共通面も感じつつ、
それぞれのアーティスト色も現れていて面白いなと思いました。
※参考 Chara「Tiny Dancer」MV
「アイヲ」に比べると、くるりの王道色強めだが
明るくも儚い、乾いてるようでウェットで。
どちらも岸田節と本人の良さも出てて好きだ。
と言う事で、楽曲よりもインストへの思いが長くなってしまいましたが
今回はUA「雲がちぎれる時」楽曲レビューでした。
次回もお楽しみに