山下達郎「Love Can Go The Distance」松田・田畑Jaccs名CM 夢と化石

シャッフルレビュー特別篇。

筆者が2023年に聴いたベスト上位楽曲のレビューです(発売年を問わず)。

今回はこの曲。

山下達郎「Love Can Go The Distance」

1999年11月10日発売の限定盤Sg。(11月25日発売のAL『ON THE STREET CORNER 3』収録)

NTTコミュニケーションズ CM曲。

2003年にはJACCSカードのCM曲としても使用される。

遠く離れても声を聴けば、場所や障害を乗り越える力が湧く様なアカペラ曲(☆3.5)

もともとアカペラカバーALの『ON THE STREET CORNER 3』の発売に際し、

「2」までは洋楽をアカペラアレンジでカバーして来たが第3弾と言う事で、

ここらで自分のオリジナル曲も入れたいと、本ALを意識して山下氏がこの楽曲を制作。

だからこそ、アカペラなのは必然なのだが

歌声は勿論、美麗なメロディーとコーラスワークに感動する。

そして力強くストレートな歌詞も、英語詩により程良い距離感で心地良い。

濃厚コーラスがゴスペルチックで、ウィンターシ-ズンにもピッタリの曲だ。

「アンモナイトと六法全書」

「自分の夢に嘘はつけない」フレーズでお馴染みのJACCSカードのCM。

村上淳伊藤歩出演でテーマ曲「蒼氓」のCMシリーズを「由佳と和也篇」。

そして、松田龍平田畑智子によるCMが「アンモナイトと六法全書篇」と呼ぶみたいです。

リアルタイムでは、由佳と和也篇は記憶にバッチシ残ってて好きなCMでしたが

正直こちらの「アンモナイト~篇」は記憶になかったんですよね。

 山下達郎「蒼氓」(そうぼう) JACCSカードCM 自分の夢に嘘はつけない コロナ禍PV

実は上記の「蒼氓」由佳と和也篇のレビュー記事を書く際、

このシリーズの存在を知りその時点で思い入れの無かった

『アンモナイト~篇』の方が好きになってしまったという裏話。

それから2年越しの23年にやっとCDも手に入れて、案の定年間トップにも選ぶ程ハマりました。

今回記事作成に当たり、細かい設定を知ったが

簡単に言うと

松田は大学の研究室で古生物の研究生、

田畑の役は弁護士を目指すも3度目の司法試験にも失敗し、諦めて地元に帰ろうと~という設定らしい。

それを知らないで書いた文章をそのまま載せておきます。

オーディションに落ち続ける無名劇団役者の(様な)田畑。

「ダメなのかなー。実家帰ろっかなー」と途方に暮れる田畑に

日々地道に研究室で研究を重ねる松田が「諦めんなよ」と励ます。

それが話が進むと、すっかり立場が入れ替わり

就職し今では、地道に日々邁進している田端の元に

海外へ化石発掘に行く、夢を追う松田から食料が尽きたという助けが。

田端は、イッチョやってやるかと決心。食料や物資を両手に現地へと赴く。

再開する二人。今度は自分の追う夢に不安になる松田が「いつか見つかるかなー」

「見つかるよ、地球でっかいもん。」と励ます。

という夢を追う一方の背中を、地道に生きるもう一方が励ますカタチが

CMが進むと、見事に2人の立場が入れ替わっている。

だけどどちらも相手の立場にしっかりと寄り添い、励ましているからこそ

綺麗事にも、軽くも聞こえないのが素晴らしい。

と、いうのが設定を知る前の感想。

「ニャー!」と窓から入ってくる田端が

完全に、夢やぶれそうになってる売れない劇団女優にしか見えず

その自己設定に納得出来てしまえるだけの映像の説得力があったから・・・

そもそも思い切りタイトルが「アンモナイトと六法全書」篇なのだから、

こんな勘違いする自分がちょっとヤバイのかもしれないが

まあこういう解釈の仕方も有りかなと思った。

設定を知ったのが遅かったので、今でも見る時は自分の設定で脳内再生してしまうが。

松田龍平の役は皆、ほぼ同じ様なキャラ印象だと思うが

田畑智子の役に関しては、視聴者によって設定が変わるキャラでも良い

(大いに賛成な)んじゃないかと個人的には思う。

ラジオCMのポエム

最後に、少し番外編とも言えるラジオCMの

青臭いポエム語り(「ざわざわ、おい、お前は~」のやつ)も音楽と混ざり合い、

進学や就職、未来に苦悩する大学生世代にもぶっ刺さる。

中2病ならぬ、絶品の大2病CMだと思う。

(年代関係無く今の現実に迷いがある人達にはグッと来るものがあるはず)

※セリフ部分を書きおこしました。(青が松田、オレンジが田畑の台詞)

「ざわざわ ざわざわ 胸の中で 何かが動く 

 おい、お前は やるべき事を ちゃんとやっているか?

 ただ あぁなりたい こうなりたいと 能書きを言っているだけで

 1歩も前に踏み出してないじゃないか」

「ざわざわ ざわざわ 胸の中で 何かが囁く

 おい、お前は 飛べない小鳥だ。

 羽もなく 飛ぶ力など無く ただ小声でないている

 カゴの中のカナリヤだ」

「僕は 胸の中で囁く 誰かの 「自分の」 声に苛立って そして浅い眠りにつく」

「2時間経って 汗ビッショリで目を覚ます。

 聞こえるのは 枕元の時計の音だけ。

 ほら 1日過ぎちゃったよ。 

 また 新しい1日が過ぎちゃうよ

 だけど私の中の もう一人の私が 「僕が」 異議を申し立てる」

「俺たちは まだ道の途中にいるだけだ。

 答えなんか そんな簡単に出やしない。 

 続けろよ・・・「続けるよ。」そうすればいつかたどり着く」「きっと辿り着く」

素晴らしい。

息が詰まりそうながらも、光が開けていく様な希望や信念も感じる。

今回のレビューは去年、いやそれ以前の「蒼氓」の記事を書いてる当初から、どんな形で

(追記にするか(長くなりすぎる)、曲レビュー?CMレビューの形?どのタイミングで)と迷っていた。

遅くなってしまったが、年間ベスト曲とCMとしても両方で取り上げられて結果としては良かったかもしれない。

と言う事で今回は、山下達郎「Love Can Go The Distance」ジャックスカードCM「アンモナイトと六法全書」レビュー記事でした。

BE ALRIGHT

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