鞘師里保「27yo」揺れ動く 今がいつかのVintage

シャッフルレビュー特別編。今回から数回にかけて

筆者が(発売年問わず)25年に聞いたベスト上位曲をレビューしていきたいと思います。

今回はこの曲

鞘師里保「27yo」

・作詞 yacco、鞘師里保 ・作曲 tee tea ・編曲 SHINTA

2025年7月23日発売のavexに移籍しての第1弾EP『Too much!』収録曲。

“27 years old”のリアルが、寄り添うように粒子になって降り注ぐ楽曲(☆4)

個人的には去年の夏~秋に特にヘビロテして聴いていて

その時期を思い返すと浮かんでくる楽曲だ。

昨年25年6月に音楽活動を自主レーベルから”avex”へ移籍した彼女。

外野から見てる分にはavexに移籍して、そこまで明確な変化は分からなかった。

リード曲「Super Red」も、わかり易い派手さはないけど、

盛り上げてくれようとしてるのは伝わってきたし、2桁聴いたあたりで

確かにいま、こういうタイプの曲が必要なのかもとしっくりきたが

個人的にはなんといってもこの「27yo」を生み出してくれただけで、

その意味を早くも回収できた。ありがとうみたいな。

モー娘。現役時代だけじゃなくて、

卒業後(「BUTAI」「PUZZLE」とか”好き級”の曲はあったけど)ソロ活動の中で、

ここまで大きな楽曲と出会わせてくれるなんて贅沢すぎる感謝である。

詩もいい

涼しげなグルーブ感あるトラックも、間奏のダンスアレンジも大好きだが

曲の主人公自身が、迷いながらも希望に向かって進みたいと思っている。

歌詞の温度・距離感・・・いや歩幅感もまた心地いい。

ありふれた日々“や”抱きしめて今を“など印象的なフレーズもあり

ふとした日常や、瞬間。鏡に映った今日も、ため息も愛してと伝えてくれている。

他にも印象的なのが、サビの

微睡(まどろ)みに落ちる窓の向こうで

揺れてる洗濯物を眺めたら

変わらない日々に張り詰めてた心が溶けて行った

この手につかめそうな歌詞の情景がすごく好きだ。

他にも曲全体に飾らなさ感を出しつつも、

“スマホ”とか”下着”(!!)とかのワードが入り込んでない絶妙なバランスで

きっちり作品としての陶酔/ドラマ性を確保してくれていて素晴らしい。

それぞれの ラベルを愛して

一般的に”15~20″位の数字はアイコンとして作品タイトルに使用されるケースは珍しくないが

それ以降って、パッと思いつくのが奥田民夫とかバンドくらいしかいない。

イメージの話で、実際には沢山あるんだろうが。

27yo」この曲に惚れてから、見る度に凄くいいタイトルだなって思う。

毎年は難しくても、続けていく事で武器になるかもしれないな。

以前から年齢を”レベル“と表現する方々もいて表現の一つとして好きだが

ラベルもレベルも、表の数字だけじゃ比例しない、下がるパラメーターだってあるし

中身の味も、旨みや好みだってそれぞれの瞬間には気づかなかったりする。

数字はただの数字・記号だから囚われる必要もないけど

ヴィンテージボトルのラベルの様に、それは年月と共に保管され熟成されていく。

時々その年代のラベルを開けて楽しむこともできる。

ぜひ、今後も彼女なりの28yo 30yo・・・とそのボトルを増やして欲しい(どっから目。。)

それは時に音楽かもしれないし、映像かもしれないし、文章、写真や料理だって良いし、

アート、ダンス、身体表現のタイトルかもしれない。

その楽しみをシェアしてくれたらありがた嬉しいなと思う。

でもこれって他人事じゃないね。

皆が持っている、本当の意味でのMy BottleをLoverしていけるか。

中身が少なかったり薄かったり、好みじゃないテイストの年代もあるのが当然なんだ。

だからこそ、この味が好き!最高!って年代も出てくれば 好みやテイストも分かってくる。

芸術作品じゃなくても、普段の仕事、勉強、恋愛、孤独の中でも

それぞれの味が形成されていくのだから

納得したり満足しながら進み続けるのは難しくても

恐れず、怖じけず、”いま”を更新していけば

いつか「あなたのこのボトルの味好き」と言ってくれる声に出会えるかも知れない。

だから、ときどき振り返れる様にそれぞれのレベルや”ボトルyo”を作り続けていこう。

そんな風にこの曲が伝えてくれた気がする、ありがとう。

という事で今回は筆者が聴いた25年ベスト上位曲から鞘師里保「27yo」楽曲レビューでした。

この後も何曲か続く予定ですが、26年編にするかも迷ってる曲もあり何回かは不明です。

抱きしめて 今を