椎名林檎「丸ノ内サディスティック」レビュー ベンジーに殴られる女の憧憬

マニアックなシャッフルレビュー第35弾、今回選んだのはこの曲。

椎名林檎「丸ノ内サディスティック」

作詞作曲 椎名林檎

1999年2月24日発売『無罪モラトリアム』収録曲。

言わずと知れた、初期の名曲。語感を意識したというファンキーな歌詞も心地よい、ジャジーロックです。

東京事変での活動中も含め、LIVEでの披露も多く、またセルフカバーでのバージョン違いも複数存在します。

本人はもちろん、リスナーからの支持も高い人気曲。

LIVE映えする楽曲ですね。多数のLIVE映像を組み合わせた、PVも見応えがあります。

東京事変 – 幕ノ内サディスティック (TokyoIncidentsVEVO)

んー反則っていうくらい、カッコイイ。

この曲は、浜崎あゆみで言う「A Song for xx」のような、そのアーティストを象徴するコア曲だと思います。(シングルでは「歌舞伎町の女王」がそのポジションだと思いますが)

シングル曲以外で、1stアルバムにそのアーティストを象徴する様な楽曲を持っていて、尚且つどの時代も本人と共に披露され成長していく楽曲があるアーティストは意外と少ないので、そういう意味でもこの曲は特別感があるなと思います。

この先も彼女が40代50代でも、世代ごとに等身大の魅力で披露される楽曲だと思います。深みが増すほどより映える曲だと思うので、更なる進化を想像すると楽しみですし、その伸びしろにゾクゾクします。

歌詞の ベンジーだのグレッチだの

歌詞はブッ飛んでいるというか、元々英語の歌詞を日本語に変えたようなので、文脈よりも語感重視になっています。文章でなく感覚で認識していく感じ。そして厳密には意味が繋がっていなくても、有無を言わせない妙な説得力があるんですよね。

視覚的にもひっそりミニシアターを見ているような、マニアックでファッションシックなストーリーの映像が見えてくる。これはやはり楽曲の持つチカラがそうさせているのでしょう。

個人的に好きなフレーズは”将来僧に成って~私をグレッチで殴って”のフレーズです。

今回歌詞の意味を調べたのですが、ベンジーは彼女が敬愛するBLANKEY JET CITY浅井健一さん、グレッチは、彼の使うギターの事だったんですね。ずっと、”ピザ屋で働く留学生のベンジー(トム的な)の彼女になって、回転カッター(グレッチ)で殴って”という、猟奇的マゾ少女をイメージしてました。^^;

曲の背景を考えると愚問ですが、それでもあえてカバーされるとしたらこの曲はhiroの歌声はハマると思います。友人のともさかりえも、声質的に意外と合いそうです。まあ、思い入れがある人は、逆にカバー出来ない気がしますが。

EXPO Ver.の大人向け高橋真梨子感

個人的にこの曲のオリジナルを聴いたときは、そこまで印象になく、後にアルバム『三文ゴシップ』(2009)のボーナストラックの「EXPO Ver.」きっかけでこの曲を好きになりました。

このアレンジVerは、コーラスワークも見事なゴスペルチックで、オリジナルとはまた違う高橋真梨子の様な大人なカッコ良さがあるので、機会がある方は聴いてみて下さい。

ということで今回は椎名林檎「丸ノ内サディスティック」でした。

感想やリクエストもお待ちしています。では次回もお楽しみに。

コメント

  1. 田中 より:

    椎名林檎はいろんな意味でクールといえる!

  2. tona より:

    コメントありがとうございます。林檎さんは作り手、演じ手、観客側の視点を持ち合わせた
    生粋の芸能人(エンターテイナー)だなと感じますし、音楽という軸をメインとして今後も長く活躍されるのだろうと思います。
    その時代毎に変化する「丸の内サディスティック」が聴ける事が楽しみです。

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