浜崎あゆみ「Boys & Girls」後編 宮沢りえ×ぼくらの七日間のアンビシャス

浜崎あゆみ「Boys & Girls」

レビュー後編です。

ちなみに前編の記事はこちらです。

浜崎あゆみ「Boys & Girls」レビュー前編 接触商法より道理的 リミックス戦略 – バブル スターライト

それでは後編行ってみましょう。(敬称略)

「Boys & Girls」といえば、発売当時に曲のタイトルを見た時にまず思い浮かべたのは、映画『ぼくらの七日間戦争』でのワンシーンでした。

ぼくらの七日間戦争とは

1988年8月に公開された、角川映画(監督 菅原比呂志)。宗田理 原作の人気シリーズ小説の劇場版。出演 菊池健一郎、宮沢りえ

あらすじ:学校や家庭で息の詰まりそうな中学生達が、集団で登校拒否(ボイコット)し、廃工場をアジトに 自分たちの城を築き上げる。中学生と大人たちの戦いの物語。

映画のトレーラーがこちら

ぼくらの七日間戦争 (KadokawaPicturesJP)

宮沢りえの無敵感(個人的には純子推し)、男子達も良い味出してるし、親や教師達も面白い。大好きな作品だったので、今見ても鳥肌が立ちます。

初めて知った方は、機会があったら本編もチェックしてみてください。昔の作品なのに、こうして公式で配信されていて嬉しいですね。

さて、リンクするシーンというのは、少年達のアジトの廃工場近くに暮らすホームレス(?)のおじさんが、

廃工場に向かう少女たちに「少年たちに伝えてくれ、”ボーイズ ビー アンビシャス!”(ドヤ)」と言い、対して少女ら(宮沢りえ)はおじさんを後にしながら『それを言うなら “ボーイズ アンド ガールズ、ビー アンビシャス” よね!』と言い放つ印象的なシーンです。

当時、HPだったと思いますが、浜崎が宮沢りえに憧れていたことは知っていたので、パッと上記シーンが浮かびました。勿論、”ボーイズ アンド ガールズ”という言葉自体、一般的に珍しいわけじゃないですし、現実的にはスタッフの人が決めたのかもしれません。

しかし、本人含めて意図的ではなく無意識かも知れないですが、きっとどこかであのセリフとリンクしている!と、個人的には今でも思っています。

浜崎自身も、かつて やんちゃだった様な事も聞きます。当時共感していたのは間違いないと思います。別に、「Boys & Girls」がこの映画の主人公の少年少女達に向かって書かれた歌詞だとまでは言いません。

でも、実際に彼女自身含め周りにも作品と同じ様に、大人たちに不信感を持つ仲間も沢山いたと思うし、そんな「大人たち」も、「子供たち」も どちらの側面も見てきて、色々とその胸に抱えていた思いもあったのかなと思います。

そんな彼女の中に刻まれた思いが、無意識・深層心理レベルかもしれませんが、この歌でリンクして表現(開放)されている所もある気がするのです。

そう考えると、”はばたきだした 彼らを誰に止める権利があったのだろうという1フレーズだけでも、色んな深みを感じますね。

「a song is born」と「SEVEN DAYS WAR」

2001年12月に浜崎あゆみ&KEIKOとしてリリースされたチャリティーSg「a song is born」にて、浜崎は小室哲哉の楽曲に初参加となったのですが、この曲のイントロがまた感慨深いです。

作品のファンの方ならすぐに気付いたと思いますが、『ぼくらの七日間戦争』のOPに掛かる「DEATH FACTORY」(インスト曲)、並びにTM NETWORK「SEVEN DAYS WAR」のCメロ/コラース部分のフレーズと酷似しています!

筆者の想像ではありますが、元々あの映画の曲はTKが手掛けているので、このオマージュ(?)は、浜崎の宮沢に対する情感を知った上でされた、TKの粋な計らいだと思われます。

そんな、「SEVEN DAYS WAR」のTM NETWORKのLIVE映像がフルでありましたので、紹介します。

TM NETWORK / SEVEN DAYS WAR(TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-)(avex)

2012年のLIVE映像の様ですが、現役感満々で格好良いですね。

TMといえば、epic sony(レーベル)のイメージでしたが、今はavexなんですね。

ちなみに、2010年に浜崎はシングルで「SEVEN DAYS WAR」カバーをしています。

カバー版の公式の動画が一つだけありましたので、そちらも紹介します。

【mu-mo】浜崎あゆみ/SEVEN DAYS WAR(mu-mo限定アカペラver.)(期間限定配信ver.)   (avex)

1フレーズしか聞けませんが、限定配信だったアカペラ音源は貴重ですね。

彼女のカバーは、2010年9月発売のシングル「L」に収録されています。またアルバム『Love Songs』にはLIVE Verが収録されています。

ということで、今回の記事は筆者の想像の部分も多いのですが、こうした”浜崎あゆみ”と”宮沢りえ”の関係性、そして作品としての”Boys & Girls”と”ぼくらの七日間戦争”の世界の背景。

こうしてみてみると、より互いの作品が深みを増し、さらに輝き出す気がしてなりません。

※追記

発見したことがあったので書き足します。

『北の国から ’98時代』にて、主人公の純に向けて恋人役の宮沢りえが手書きのノートをクリスマスプレゼントを渡すシーンがありました。

そこには、会いたくても会えない日々に彼を思って書き綴った詩やイラストが描かれていて、一部がドラマで読み上げられるのですが、

その内容が、小道具では無く明らかな宮沢りえ本人の直筆のそれであり、絵はもちろん、詞(ポエム)に関しても恐らく本人が役に合わせて生み出したものと思われ。

そこにハッとした詩が。

『純の事 思い出す事は 1つもない。

だって、忘れる事が1秒もない気がするから。』

あゆファンならすぐにピンと来たハズです。

別にこの事で「あー、あゆって奴は・・」なんて野暮なこと言いうつもりはありません。

むしろ、またこうした2人のリンクを見つけた事で、あゆはその後も彼女の生きる後ろ姿を見続けていたんだと分かった気がして嬉しくなったので書きました。

ということで、今回は浜崎あゆみ『Boys & Girls』のレビュー後半、宮沢りえ、そして『ぼくらの七日間戦争』も交えたコラムになりました。

ちと熱が再燃して来たので、この映画も別でレビュー記事書けたらいいなと思います。

感想やリクエストもお待ちしています。では

コメント

  1. […] 浜崎あゆみ,boys & girls,宮沢りえ,ぼくらの七日間戦争,song is born,小室哲哉,tk,tm network,seven days war より: 2016年4月10日 1:08 AM […]

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