CHAGE and ASKA「NとLの野球帽」 レビュー 舵の壊れた この俺を見つめるな。

シャッフルレビュー第89弾、今回選ばれたのはこの曲。

CHAGE and ASKA「NとLの野球帽」

・作詞作曲 CHAGE ・編曲 重実徹

1996年2月19日発売のSg「river」のB面曲。

高度成長期に生きた少年期のエピソードやNとLの野球キャップや写真の数々。

いつの間にか共鳴し、見えてくる情景に心をえぐられるソウルPOPs ☆4

※一人ぼっち時に視聴を推奨

一応ユニットでの楽曲にはなっていますが、CHAGEさんのドmain曲。

楽曲を手がけた彼の幼少期からのエピソードを

野球に焦点を当てて描いたライフソングとも言える楽曲です。

NとLの野球帽“とは、当時CHAGEさんの地元福岡の「西鉄ライオンズ(現:西武ライオンズ)」の事の様です。野球少年だった彼にとって、ヒーローの様な存在だったのかもしれません。

歌唱の中で何度も繰り返えされるフレーズにもある”1969年”という年には、

その西鉄ライオンズの野球賭博問題の「黒い霧」事件が起きたり、しょうね彼の中のヒーロー/正義観を揺さぶられたの

音楽シーンにおいても大きな変革期だったりと、

当時のCHAGEさんの人生において大きな影響があった年なのだと思われます。

ライブ映像でみても伝わってきますが、

当時この曲の格好良さに、ほぼコーラス参加のASKAは嫉妬していたそうだ。

CD音源では2人のハーモニーや歌声の繊細なニュアンスも伝わって来て、また違う魅力があるので是非聞いてみて欲しいです。

歌詞もヤバイ。エモ越え、エグ良い曲

個人的にはこの曲は十代の頃に初めて聴いて、歌詞に歌声にサウンド、情景に感情が溢れ出して

心をえぐられる、人前では聴けないやばい楽曲でした。

メロも勿論のこと全体を通してのストーリー性も含め歌詞が秀逸。

サビの歌詞も敢えて触れませんが素晴らしい。

実体験から来る説得力や共感性を呼ぶ強烈なノスタルジー。

自身の「舵の壊れたこの俺は どこへゆく」等

思春期の迷走や苦悩など、誰もが共感する様な生々しい歌詞も、染みる。

少年期からの生々しいエピソードと共に

人の昔話にしては余りにも情景の浮かぶAメロに

Bメロの挫折感と切なさにハラハラし

サビで、心を揺さぶられるフレーズが畳み掛ける。

この時点で、涙や鼻水垂れ流しながら、

拳の裏で必死に拭いつつな状況なのだが

さらにオーラスで

失くしたものは景色だけさ 一緒に歩かないか” と締める。

もう 「兄貴、一生ついていきます!!」と言いたくなる程

格好良い背中をした楽曲だ。

共感される方も多いと思いますが、この曲に込められた彼の思いが痛いほど強烈で

気軽に聴けるPOPSでは無いです。

例えるなら『火垂るの墓』。話としても良い作品だし、作品としての完成度も高くても

年に1度位たまに観るから良いのであって

毎週の様に観てたら、その度に逆に情緒不安定になってしまうのではとすら思う。

この曲もたまーに、思い出した時に夜中に一人でひっそりと聴きたい。そんな楽曲。

えぐ良い曲“というジャンルがあったら間違いなく入るだろう。

その位、心をえぐられる楽曲。

ということで、今回はCHAGE and ASKA「NとLの野球帽」の楽曲レビューでした。

今回はアップまでに2ヶ月位と最近では早い方でしたが、

次回の記事もほぼ同時進行で書いているので、

年内にアップできると思います。お楽しみに

DEHA

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