『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画』LCLの海の中で見る夢の続きは

いっ春に冬きても秋ずに夏わ。
 
季節が目まぐるしくめぐる中読んでみた今回のコミックスはこちら。
 
「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」 角川コミック・エース
漫画 高橋 脩  原作 GAINAX・カラー
 
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タイトルだけは前から知っていたのですが、買ったまま読んでいなかった1巻を読んでみました。
 
おなじみ「エヴァンゲリオン」のアナザーストーリーというか、キャラクターや主要な設定等を網羅しつつ
学園物ラブコメ風にアレンジされた、エヴァのパラレルワールドです。
 
公式でこういう同人的なことをするのは凄く良いと思います。
ドラクエで言う「ロトの紋章」や「ダイの大冒険」とか、・・・あ、これはこれでちょっと違いますけど。
 
原作(アニメ版しか見ていませんが)のストーリーは、
基本的に重く、辛い出来事が多い(というかほぼそれ)作品でした。
 
原作の彼らの行く末を知っているが故の、ある種の親目線だと思いますが
普通の明るく楽しい学園生活を、シンジ、アスカ、レイたちが送っている事に
純粋に読んでいて、嬉しいし微笑ましいのです。
 
碇家の両親(ゲンドウ、ユイ)がコミカルに会話しているシーンも
原作では絶対に見ることが出来なかった物なので、微笑ましくて好きです。
 
ちなみに、第1話で朝讀新聞の日付は2015年4月5日の日付になってました。
 
ただ、桜の木の下には死体が埋まっているじゃないですけど、この作品には近いものを感じます。
 
このマンガの彼らも実際に動いて生活しているのだけど、
この物語のような日常をどんなに夢描いても叶わなかった原作の彼らが、
絶望の淵にエントリープラグ内でLCL(液体)の海の中、彼らの希望が亜空間の中で映像化されていく。
その映像が投影されているのを我々は、このコミックスで目撃しているのではないかという気がします。
 
考え過ぎだし、そんな裏設定は無いことも承知の上ですが、
穏やかさの裏にすぐある戦慄さを感じてしまうのです。
 
まあ、硬いことは考えずとも純粋にラブコメ版として気楽に読める作品なのですけどね。
もしかしたら、自分と同じように感じてる人いるのかなー。
 
気になった点は
アスカやレイからも好感触なシンジが、かなりの”モテキャラ”(リア充)っぽく感じてしまう点ですね。
 
アスカのツンとした部分はこちらでも勿論あるのですが、シンジとの距離感が幼馴染み設定のためか、二人の距離感がちょっと近すぎ感じがしました。
 
例えば転校生のレイが現れて、仲良くするシンジにメラメラとなってようが、
ドジするシンジに、アスカが「コラー!!」とキレようと、
アスカがシンジに内面では惚れ込んでいるのが分かるので、
何があっても”でも、ほんとは好きだよ”と収まるであろうと容易に想像できてしまい、
二人が喧嘩してもハラハラしないのです
 
シンジがアスカに片思いとかなら、「おお大丈夫か!?せっかく仲良くなったのにどうなっちまうんだ」と緊張感もあり、
二人の動向がスリリングになるんですけどね。
 
ラブコメなので、甘々な位でちょうどいいのかもしれませんが。
というか、単に自分がシンジを羨ましいと思ってるだけだったりして^^;・・・いや、きっとそうだろう!
 
2巻以降も読んでみたいなと思いました。
さすがにしばらくはバトルは出てこないとは思いますが
エヴァ(本体)もなんかしらの形でいずれは出てくるでしょう
(予想だと、最新系の宇宙船(乗り物)として登場かな??まあ全然違うと思いますが)。
 
ただいまコミックスは17巻まで出ていて、
現在も「月刊少年エース」にて連載中ということで、かなりの長期連載ですね。
こりゃ益々、オリジナルストーリーが気になります。
 
14歳の彼らのホントのようで、嘘みたいな現実。
もうひとつのエヴァの世界を体験したい方にオススメです。
 
EVA!!
 
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