シャッフルレビュー第77(!!)弾。今回選んだのはこの曲
K「Only Human」
・作詞 小山内舞 ・作曲 松尾潔、田中直
2005年11月23日発売のSg。フジテレビ系ドラマ『1リットルの涙』主題歌。
苦し身の果てに、闇や影の中に微かに差し込む光を見つけて
今は前に強く進もうと語りかけるバラード曲。(☆2.5)
K 『Only Human』(K)
何というか、歌声は綺麗だし、シンプルながらも無駄のないサウンドも主張し過ぎない所も狙いだと思うが、ともかく地味な曲という印象は今でもある。
挿入歌で大ヒットしたレミオロメンの「粉雪」はPOPS単体としてもキャッチーで評価されやすい、王道さの魅力を持っていたと思う。
そんな「粉雪」とは対照的に、気軽に聞ける感じのタイプの曲ではないというか、ドラマの世界観と密接なドキュメンタリーな距離感の曲という感じ。
この曲の評価はドラマを観た事があるかどうかで評価が大きく変わる楽曲だと思う。
正直な話、自分もドラマを見ていなかったら地味で退屈な曲という印象で終わっていたと思うが
今確認したら、この曲と、ベスト盤収録の「K Feat. Kim Dongwan」によるVer。AL『Ear Food』に収録のアコースティックVer等合わせると再生回数1000回位行っていた。
これは、キャッチーさや分かりやすさは無くても
心が求めて聴きたくなる歌だということなのだと思う。
言い変えれば、耳馴染みよりも 心馴染みが良い曲ということか。
ちなみにこのSg曲自体は2ヶ月後に発売の1st AL『Beyond the Sea』に収録されましたが
B面に入っている「Together Foever」という2分くらい曲は
2nd AL『Music In My Life』にAlbum Verとしてフル尺で収録されています。
「Only Human」とはまた違う甘味のあるバラードで、こちらも良曲なので紹介しました。興味のある方は聴いてみてください。
ここでは、この曲が主題歌となった、ドラマ作品について軽く触れます。
ドラマ『1リットルの涙』
原作 木藤亜也 の同名ノンフィクション書籍のTVドラマ版で
2005年秋にフジテレビ系で放送。
脊髄小脳変性症という、不治の病に罹ってしまった少女が
家族と共にもがき奮闘し、傷つきながらもたくましく生きてゆく姿を描いたヒューマンドラマ。
こちらは放送当時から大反響を起こし、今尚評価の高い作品ですが、
個人としてもこのドラマは、歴代ドラマで10本の内に入る位思い入れのある作品で、
語ると長文になってしまうので
また別の記事で触れたいと思います。
とりあえず、「若手女優を売り出したいのが前面に出た、安易なお涙ちょうだいモノ」「暗い内容のドラマはこっちも辛くなるから見たくない」等と懸念してる人は、もったいないなと思います。
100円レンタルの時でもいいから、ちゃんとDVDで音声も映像も途切れてない形で見て欲しい作品です。
もちろん沢尻エリカの存在感は目立つが作品を見れば「顔だけで選ばれた」訳ではない事をしっかりと痛感してもらえると思うし、恋人的な錦戸亮の存在等、原作映像作品として美化、脚色されている部分も多々あると思いますが
現実は現実で、作品は作品どちらも間違いなく、本気でぶつかり、困難にぶつかりながらも前向きに奮闘していく、主人公や家族の姿(陣内・薬師丸・鳴海さん達誰が欠けても無理だ)、その背景に勇気や元気を貰える作品だと思います。
作品を通して登場人物達それぞれに心情が深まる、本当の意味でのヒューマンドラマだと思います。
ドラマのエンディングで、原作者の写真や日記の文章たちが次々と出てくるのだが
特に日記の文章は毎回変更されており、本編ともクロスした文もあったりして
なんだろう。やはりドラマ作品なので大体急展開で終わり、EDに移ることがことが多いのだが
この作品の場合、ドラマパート本編の余韻に浸るEDというより
この作品のEDだけは完全に原作者のテリトリーで。
ここでの生の声や叫びが、時には強く時には辛くストレートに
スクリーンの外側の現実を体感する感じですね。
本編もEDも何度観て何度泣いたことか。
何度感動や勇気をもらっただろうか。
この作品に関わる全ての方々に感謝です。
という事で、今回はK「Only human」楽曲レビューでした。
季節の変わり目なので風邪ひかないように気を付けたいですね。
まだ未定ですが、次回から角度を変えてレビューを書くかもしれません。
お楽しみに。