モーニング娘。’17「邪魔しないで Here We Go!」考察コラム マンパ女と 退魔の儀式

今回ピックアップするのアイテムは、この曲 (長文です)

モーニング娘。’17 「邪魔しないで Here We Go!」

10月4日発売のトリプルA面のSg『邪魔しないで Here We Go!/弩級のゴーサイン/若いんだし!』より表題曲。

・作詞作曲 つんく ・編曲 大久保薫

歌詞としては、早く吹っ切って次のステップへ進もうとする女と、そんな彼女をズルズルと引き離したくないとする(ダメ)男という感じ。(プラチナっぽい?)

サウンドも大人っぽく、エキゾでムーディー。

怪しい魔術の儀式の様なシンセも特徴的な、民族風ダンスナンバー。

間奏が主役!? 曲の魅力

こちらが、PVです。(テンポ感を踏まえ、再生開始位置を変更しています)

モーニング娘。’17『邪魔しないで Here We Go!』(Morning Musume。’17[Don’t Bother Me, Here We Go!])(Promotion Edit) (モーニング娘。 ’17)

楽曲としては非常にマニアックだと思います。

1年前の、ミュージカル仕立ての「セクシーキャットの演説」(2016)もマニアックではありましたが、その分派手さはありましたし。

感覚としてはAメロ、割とドラマチックなBメロときて、サビを飛ばしてCメロという雰囲気。

曲中で一番POPでサビらしいのが、その後の間奏部分(メロディラインはサビと同じですが)という。このシンセ音が怪しい雰囲気や、民族っぽさも醸し出していると思います。

ここのサウンドが好き(心地いい)かどうかでこの曲の好みが分かれると思います。

まあ、何十回も聴いていると、クセになってきますし、このくらい地味目なサビの方が、リピート出来ますね。

同じくA面曲「弩級のゴーサイン」が、売れ線に振り切っているので、逆にこの曲はここまで出来たのだと思いますが。「邪魔しないでー」は、商業的ではないけれど、音楽としては愛されると思います。

そして、この間奏がキャッチーな感じで

ふと浮かんだのが三代目 J Soul Brothers「Summer Madness」(2015) これも、一番キャッチーなとこが歌なしメロディーの曲でしたよね(ダンスパートとも言えるが)。

参考:該当シーン 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE / Summer Madness feat. Afrojack  (avex)

こちらは、ここを見せ場とモロに狙って演出している(モー娘は狙ってない)ので少し違いますが、

結果として、曲のどこが一番開放感が出ているかという意味では、両者近いものがあると思います。

この曲に関してはランキング番組で、サビを流して中途半端にたどたどしい印象を与えるよりも、いさぎよく歌は無くても間奏部分を流したほうが、POPで分かりやすくて求心効果有りそうな気が(一見さんも、「ちょw何これ?でも気になる」的な)。まあアイドルで、そこまで攻めれたらカッコ良すぎてしまうか。

まあ前向きに、サビが2回(2段階)あると考えたら、何だか豪華に思えてきました。^^

工藤遥のセリフ

歌の面で気になるのは1つだけです。セリフパートがあるのであれば、女優の道に進む為に卒業する工藤にこそ、一言でもいいから挙げるべきだったと思います。これだけですね。

トリプルA面曲の1曲に「若いんだし」という工藤のメイン曲はあることですし、普通の歌割だったらここまで思いませんが、何せ”セリフ“ですからね。飯窪尾形は合わないとかでは無く(本人達の努力も伝わって来ますしそういう意味ではありません)。

言い方はアレですが、どうせ卒業後は他のメンバーに引き継がれるのだから、単に卒業までの2、3ヶ月の間だけでもやらせてあげてほしかったかなと。

人生で一番濃密になるであろう最後の活動期間のステージやメディアでのプロモーションで、曲中にその短い一言に感情を込めて演じる経験は、本人はもちろん外部へも新曲で女優としても同時にアピール出来る、またとないチャンスだったのにと。まあ、ここら辺は事務所の思惑もあるだろうから仕方ないですが。

ただ、この曲の歌割で好きなのは、ラスサビの出だしに工藤のソロが一言だけあるのですが、歴代メンバーも経験してきましたが、明らかに(卒業後)差し替え前提パートと分かっていても、こういう配慮があることがファンにとっては嬉しいので、そこは良いなと思いました。

PVに関しては、私服シーンは無理して全員出さなくてもよかったかもと(これも指示だと思いますが)。そりゃ、一部メンバーをひいきするとか、おざなりにしても良いとかではなくて、ごちゃごちゃして結果共倒れになるよりは、こういう世界観(ムード)がある様な曲くらいは割り切ったほうが良いのかなと。

代表してセンターの佐藤・森戸の2人(追加するならセリフ有りの飯窪・尾形の4人)だけにすれば、だいぶスッキリして良かったと思います。

あとは映像全体のスモークがかったようなモヤっと感(夢と現実感?)が安っぽく見えて気になりますが、クリア過ぎても衣装の質感(合皮っぽさ)の映えるを考えてこの方が良かったのかな?とは思いましたが。エフェクトの強さは丁度良くて好きですね。

“魔法”よりも”魔術”の世界、悪魔との契約

アレンジ面の影響も大きいですが、この曲のジャンルというか世界観、ある種の宗教さも感じる儀式感。そして、放課後の女子校で星の王子様(こっくりさんの亜種)じゃないけど、何か黒ミサ?的な魔法陣で儀式を開いてるような雰囲気。(あのセリフも、青春ドラマのそれでは無く、完全に深夜枠の学園ミステリー物の雰囲気に感じる^^;)振り付けのダンスも魔術の儀式感ありますね。まるで、14人の魔術師?

そう、この世界観はファンタジーの”魔法”では無く、間違いなく”魔術”の方。まあ、歌詞の内容的には、男に復讐しようとしてるわけでも、あの娘にジェラシーしちゃう訳じゃなくて、自己開放への儀式っぽいですが。

そう捉えると、極端に言えばこの歌詞に出てくるダメ男っぽい彼が、断ち切りたいのに離してくれない(呼び出してしまったばかりに、魔法陣に居座り続けられる)悪魔として置き換えることもできます。

その悪魔は、消そうとする度に、その魔力で私の心を惑わせる。その悪魔(彼)の姿は時には肉体の悪魔でもあり、自分自身の油断や怠惰、欲望の具現化であったりするのでしょう。先のステップに進む為に決別したいものです。

一見冒頭のセリフの「決心した私には少し遅かったようね」と、その過去の恋(契約)に終止を打った(過去形)ように見えますが、

優しいキスも今要らない 無駄はやめて

ご機嫌ばっか取らないで 遅いから」など、

特にサビのフレーズからは、彼に向けての捨て台詞というよりも、それでもまだ続く悪魔との交信の中で、揺れ動く自分自身を必死に説得しながら、その呪縛から開放されたいともがく”まじないの言葉”にも取れます。

つまりは、未だ続く悪魔の囁きや誘い、自分の選択次第では、また元のフィールドに戻ってしまう可能性も十分にある状況の中で、少女がその悪魔のいる結界から抜け出せるのか!?というハラハラした状況だと。

今まさに奮闘している最中だからこその「邪魔しないで!」となる訳ですね。

え?じゃあ、あのセリフの「遅かったようね」や「ふふふ 若かったな」の人物って一体・・・

よく考えたら奮闘中の主人公とは時間軸も少し違う気がするし、未来の主人公が振り返ってる姿か??

・・・自分の中で少し考えた結果、恋バナ好きのやじ馬 妖精(気まぐれ)という事で落ち着きました(いいのかそれで)。

とまあ、色々と考えていたら、この曲の世界観がより深く感じました。これで短編映画1本出来そう。てか、つんくさんに「そんな曲じゃ無いでー!!」と怒られそうですが^^;

まあ、上記は完全に個人的な解釈なので、そういう見方もあるのかと楽しんで頂けたならば幸いです。

女子版 THE マンパワー!!?

この曲を聴いていると、何かデジャブ感が・・・と引っ掛かってたら

数日経ち、ようやく分かりました。この曲から湧いてくるビジュアルイメージに非常に近い曲が。

2005年に発売された「THE マンパワー!!!」です

尚この曲は、ダンスショットVerがメインPVに指定されれいますが、このAnother Versionが本来のPVですね(「リゾナントブルー」(2008)も同パターン)。

↓サムネイルのインパクトは気にせず^^;

モーニング娘。『THE マンパワー!!!』 (Anothe Edition)  (モーニング娘。 ’17

たいまつのかがり火や民族衣裳っぽい衣装や小道具・果物など、「邪魔しないでー」とマッチする気がします。

楽天イーグルスの応援歌という事もあり、こちらは曲のゴツゴツ感や振りや歌詞も含めて、少年っぽいというか、どちらかというと勇ましく男っぽい楽曲なのですが

対する「邪魔しないでー」は、しなやかシックで艶のある、まさに女性な感じの楽曲で。セリフもある事で、さらに男子禁制の”女の園”というか湿度や粘度、女子特有の世界観も増しているのかなと。

まあ曲の方向性は全然違いますが、パワーの魅せ方が対極なだけで、その宗教的・魔術・儀式的な世界観は合致していると思います。

「THE マンパワー!!!」が男子校(白) で、「邪魔しないで HERE WE GO」が女子校(黒) と分けたら分かりやすいかもしれません。

そういう意味では女性版「THE マンパワー!!!」とも言えるかも??

佐藤優樹のマジックタイム

個人的にアイドルは、年齢はそこまで重視しません。それでも傍から見ていても、アイドルというか人生で一度の輝きを放つ時期が17歳前後(人による)にあるんですよね。

ほぼエース状態の佐藤優樹は去年位からその時期突入してますね。

後藤真希でいうところの、「Do it! Now」(2002)?、いや「そうだ!We’re ALIVE」位かかな。

ちなみに後藤の場合はごまっとう~「うわさのSEXY GUY」(2003)位で一旦収まった様な気が。誤解の無いように書きますが、2003年以降~avex時代含めアーティストとして一皮むける彼女の姿も格好良くて好きです。

またマジックタイムが終わっても、何も悲観することはありません。そこからは大人っぽさや色気・貫禄などの魅せ方、表現力、それまでの儚さや尊さとは違う魅力で、深みを増し充実していくので、

むしろ歌唱面・パフォーマンス面においては、そこからアーティスト寄りのボーナスステージに突入ですし、より様々な成長が期待できるのです。

佐藤に関しては、その愛されるキャラクターからアイドル面が目立ってしまいますが、本人の資質としては完全にアーティストタイプの人間だと思うので、踏み外さなければ希少な鬼才型エースとなりそうです。今が旬なのもまた、間違いないでしょう。

まあ20代でも道重のように、突然「One Two Three」(2011)で、覚醒タイム突入!!なんてメンバーもいますし、自分で書いといて何ですが、型なんてあるようで何が起こるかわかりませんが。

おまけ

ゲームサウンドっぽさ

この曲はゲーム音楽ぽいサウンドが使用されています(アクションシューティング系?)。

歌有りだと、そこまで思いませんが、CD収録のインストVerを聴くと明らかに分かるので、ゲーム音楽好きな方は聴いてみて下さい。

そして、Bメロのサビ直前の「さあ少し離れてー」箇所のメロディを聴くと、思い出すゲーム音楽が。

FF4のバブイルの塔(四天王の炎のルビカンテ塔と戦うダンジョン)の最初のメロディーとリンクして、味わい深くなります。

参考 Piano “FF4 Tower Of Bubil/バブイルの塔”

で?って言われたら、それまでですが。

まあ曲の魅力に、プラスで”バブイルの塔”という思い入れも増してお得かなと(何の)。

いやーこの曲の世界観は凄く大きく深いですね。

ということで、長文ご覧いただきありがとうございました。

今回ピックアップしたアイテムは、モーニング娘。′17「邪魔しないでHere We Go」でした。