オノ・アヤコ「Jericho」阿久悠が映す 愛しい記憶をたどる旅

マニアックなシャッフルレビュー第44弾。今回はこの曲。

オノ・アヤコ「Jericho」

2003年5月21日発売のシングル曲。(後に小野綾子名義に)

作詞 阿久悠 作曲 一木弘行 編曲 上杉洋史・山田廣作

NTV系音楽番組「FUN」2003年6、7月度エンディング・テーマ / TBS系バラエティ番組「Pooh」2003年5月度エンディング・テーマ

自然の生命力を感じさせるサウンドが心地よい、オリエンタルバラード楽曲です。懐かしいふるさとで、現実と幻想を行ったり来たりするような印象深い歌詞も。

イントロの弦楽器の旋律から、小学校の国語の授業で習った『スーホの白い馬』の情景をふと思い出したり。

Do As Infinity「真実の詩」(2002)でも似た音色が使用されていて、こちらの方は実際歌番組でシタール?の様な、モンゴル?の民族楽器をバックに演奏されているステージを見た事があります。同じ楽器かは分かりませんが、似た種類の弦楽器でしょう。

もう15年近く前の曲なのですが今聴いてもサウンドの力はもちろんですが、

歌詞においても最初のフレーズから『生き方が変わったら電話を下さいね』と、ただものではないオーラが伝わってきます。

簡単に詩を要約すると・・・

大人になって久々に帰ったふるさとの情景の中に、あの頃の暖かな温もりと思い出を巡ってみるけれど、あの頃の愛しいJerikoは今どこで何をしているのか分からない、という事ですね。

作詞 阿久悠。という衝撃

それから数年後に知りましたが、作詞があの阿久悠さんだったという事で、この独創的な世界観の歌詞にも納得しました。

そして、この曲で皆思うであろうことは「Jerichoって誰?」ということ。

サビのフレーズ『Jericho Jericho 愛しい Jericoあれからどうしているか』にもあるように、

まずストレートに思い浮かぶのは恋人の名前なのですが、なんというか全体的に言葉の距離感が、離ればなれになった子供もしくは親(家族)の名前にも聞こえるように感じるのが面白いところです。

男目線にもとれるし、母親目線でもとれる、深みのある歌詞。ラストに『青春の一コマしのぶだけ』とあるので、やはり恋人なのでしょうが。

リスナーによって、それぞれ思い浮かべる色々な”愛しいJericho”の形があっていいのかなと思います。

曲との出会いは、カウントダウン!

自分はリアルタイムでは、「CDTV」の月イチくらいの企画《TOP100全曲紹介》のコーナーで、この曲のサビを一瞬聞いただけで耳にこびり着いたのがきっかけです。それからしばらくして中古シングルで見かけて買いました。

あの50位~100位までのランキングの編集を知ってる方は分かると思いますが、その1フレーズにも満たない一瞬とも言える中でこれは間違いない!と直感的に来ました。ちゃんとCDで聴いてみたら、期待を上回る圧巻のドンデンガエシでした(良い意味で)。

オリエンタル、エキゾアコーステック?宇宙的でもあり密林的でもあり、近未来的でもありノスタルジーもあり。ともかく、様々なパワーソースが融合しているようなすごい楽曲です。さらにすごいのが、歌や歌詞の印象も強い楽曲でもあるのに関わらず、インスト(Ver)だけでも十分に聴けてしまう楽曲としてのパワー。機会があればこのサウンドは是非CDで聴いてみて欲しいですね。

曲のジャンルで言えば、NHKやBS等で地球の神秘系番組のテーマ、分かりやすく言えば姫神さん?の有名な「神々の詞」、あの曲にも近い世界観かもしれません。民族歌謡?と言っていいのか分からないですが、普通のPOPsとは違う感じで。

尚且つJ-POPとしてもハイレベルな非常に聴きやすい楽曲です。残念ながらチャート的にはたしかTOP100に3週位入るセールスで終わってしまったと思います。

今でこそ阿久悠さん作詞と聞くと、再評価もされ伝説の作詞家というイメージもあるのでおおっと目を引きますが、90年代のavex、TKファミリーがヒットを連発していた時代、また90年代後半からはさらにハロプロや、作詞においても若者達から絶大な支持を集めていた浜崎あゆみや宇多田ヒカルなど、新世代のアーティスト達の影にちょうど隠れてしまっていた時期なのかもしれません。

そんな意味も込めて、この曲は時代に飲み込まれた名曲とも言っていいのかなと思います。

イメージイラスト

今回は久々に、曲を聴きながらイメージジャケットを描きました。

こちらです。

Ono Ayako「Jericho」Image Illust

今回、非常に時間かかりました。

特にカラーは何パターンもやり直したりと大変でした。

少し渋いものの、なんとか着地できたかなと思っています。

テーマは、大地や自然と生命力。印象的なフレーズの「愛しい」というワードも意識しました。

時代や世代を超えても受け継がれる愛おしい愛やその形、そんな我々を見守り育ててくれている大地と自然もまた同じように愛おしい。そんなイメージです。

ということで、今回はオノ・アヤコ「Jericho」楽曲レビューでした。

次回もお楽しみに。

コメント

  1. 匿名 より:

    jerichoは聖書にも出てくるジェリコの壁で有名なパレスチナの古都のことですね
    難攻不落の象徴だったジェリコの壁が神の加護によって崩れ落ちたという内容ですが特に歌詞とは関係ない気がします
    「古い街」「白い壁」といったキーワードがジェリコの壁を思わせますがそれくらいですね
    生き方の違いで別れた相手への未練を聖書的なキーワードと絡めることで壮大さを演出したかっただけではないかと思います
    特にサウンドと歌唱は素晴らしいと思うのですが個人的にはもっと幻想的・神秘的な歌詞内容の方がこの曲や歌い手を活かせたのではないかと思います

    • tona より:

      コメントありがとうございます。
      なるほど、聖書の「Jericho」の街や聖書の件は知らなかったので調べてみました。
      “世界最古の街とも言われるJericho、その「Jerichoの壁」は、聖書のエピソードからも絶対に崩れない”難攻不落”の意味でも用いられている様ですね。

      阿久悠さんの事ですから、匿名さんの言うようにそのJerichoに掛けて詩の世界観を広く深めているのは、ほぼ間違いないと思います。

      >個人的にはもっと幻想的・神秘的な歌詞内容の方がこの曲や歌い手を活かせたのではないかと思います
      たしかにPOPS曲として聴きやすくする為に、回想~恋愛の要素も含まれた味わい深い歌詞ではありますが、良くも悪くも詩のワードが主張され気味とも思います。

      自分も幻想・神秘に振り切ったVerや、あとは日本語だとどうしても言葉を追ってしまうので、英詩等で曲の世界に浸かって見たい気もします^ ^

      “愛しいJericho”の面影を別の角度から新発見できた気がします。貴重な考察ありがとうございます。

  2. 匿名 より:

    ご返信ありがとうございます
    邪推になってしまいますが阿久悠というビッグネームに誰も書き直しお願いできなくてああいう歌詞になったのかな?と思います
    生き方の違いで別れた相手へそれでも生き方は変えられないと男のナルシズム漂う歌詞はそのまま沢田研二にあげた方がよっぽど歌詞を活かせたと思います
    前シングル2作がオリコン36位、24位と順調に世間に受け入れられていたのにそれまでと大幅に違う世界観のこの曲は149位と大暴落に終わってしまいました
    1月半後発売のアルバムの先行シングルとはいえこれは失敗だったと思います
    阿久悠氏に頼まない方が良かったのになあ・・・と今でもたまに思います

    • tona より:

      >生き方の違いで別れた相手へそれでも生き方は変えられないと男のナルシズム漂う歌詞はそのまま沢田研二にあげた方がよっぽど歌詞を活かせたと思います

      この意見を聞いて、オオッと思ってしまいました。詩の世界観は確かに沢田研二さんならばビシッとハマるかもしれませんね。原曲のイメージが強すぎて、ギャップがあるからこそ、すごく聴いてみたい気がします。

      >前シングル2作がオリコン36位、24位と順調に世間に受け入れられていたのにそれまでと大幅に違う世界観のこの曲は149位と大暴落に終わってしまいました

      そうなのですね。以前のSgはドラマ主題歌?でスマッシュヒットしたのは記憶にありましたが、今作は制作費はかなり掛けてそうですが、やはりセールスでは振るわなかったようで。

      ただ、記事中でも書きましたが、自分はこの曲をCDTVのTOP100全曲紹介にランクインしているのを見てCDを買ったので、少なくとも1週は100位以内には入っていた気がします。当時のCDTVは一応オリジナルランキングとは言え、ランキング番組の中でもかなりオリコンに近い順位だった気もするので。(まあ現在のCDTVは配信ランキングなども統合されていてオリジナルランキングに近くなってきている様ですが)
      匿名さんへの批判では無いので気になさらずm_ _m

      阿久悠さんクラスになると、歌い手も共に大物同士だとリスクがありつつもハイリターンも見込めるのかもしれませんが、
      今作のように、残念ながら話題にもならず・・・となってしまうと、確かにキツイかもしれませんね。

      自分は彼女の作品はこのSgしか聴いていないので、今作の阿久悠さんの詩も世界観が独特で面白いな位で思っていましたが、匿名さんのように彼女の他の作品を含めて聴いているリスナーの方には色々と思う所があるのだなと実感しました。
      時に辛口意見があるのも愛があるからこそだと思いますし、なるほどと思いました。

      今回も貴重な意見や情報コメントありがとうございます。^^

  3. 匿名 より:

    ご返信ありがとうございます
    辛口のコメントになってしまって不愉快に思われたらごめんなさい
    歌詞自体の抒情性は自分も好きなんですがやっぱり歌い手やサウンドと
    どうにもちぐはぐさが否めなくてもったいないなと当時から思っていました
    前2作はクールなハウスサウンド?に冷徹なオノ・アヤコのボーカルと都会的で強気な女性を描いた歌詞がベストマッチで
    「これは期待の新人かもしれない」と密かに思っていたのですが・・・
    これがヒットしていれば阿久悠氏の再評価にも繋がっていたかもしれないし
    いろいろと惜しい名作だと思います

    • tona より:

      >辛口のコメントになってしまって不愉快に思われたらごめんなさい

      いえいえ、匿名さんのオノさんへの(当時の)期待感や好意的な感情は伝わってきましたし、情ある故の意見(コメント)だと捉えましたので、気になさらず。^^

      自身の各レビューでもそうですが、好きなアーティストだからこそ、良い部分は良い部分でちゃんと書きたいのと同じように、
      「ここはあまり良くないかもれない」「こうしたら、もっと良くなるかもしれない!」と、それが時に辛口であっても、批判目的では無く意見を述べるのは、相手のことを本気で思っているからこそだと思うので、(表現方法は気にかけつつ)大切な事だと思っています。

      表向きの「好き!」「最高!」(これも大事ですが)の声だけじゃなく、向上意欲のある製作サイドは、本当はこうした要望などの声も聞きたいのではと思いますし。

      >これがヒットしていれば阿久悠氏の再評価にも繋がっていたかもしれないし
      いろいろと惜しい名作だと思います

      レコード会社としては勝負作だったと思います。
      新人とは言え実力は十分な歌手、良質な楽曲、制作費もかなり掛けられていそうな屋外ロケのPV、そしてビッグネームの起用、これだけ揃えても残念ながらヒットには結びつかないというのは、いちリスナーとして見ても厳しい世界だなと思いますし悔しいですね。
      タイミングや運、後は大きなタイアップかがあれば、可能性はあったかもしれませんが、そうなると別の制約も出てくるので、制作側は、作品単体としての世界観を大事にしたのかもしれませんね。今回も貴重なコメントありがとうございます。

      と色々書いてしまいましたが、ともかく作品に寿命はありません。今後この曲が再評価される日が来るかもしれませんし、このレビューでも少しでも/一人でもこの曲に出会い、好きになってくれる方がいたら嬉しいなと思っています。^^