シャッフルレビュー第29弾。
選曲にすごく迷いました。今回選んだのはこちら
Smash Cast Feat. Megan Hiltly & Will Chase「History Is Made At Night」
海外ドラマ『SMASH』オリジナルソング。
“歴史は夜 つくられる”のタイトル通り、ムーディーかつゴージャスな大人のデュエットナンバーです。
音源フルバージョン
高揚していくサビが、心地良くて好きです。
正直、曲自体にはあまり語ることがありません^^;
まあ、この曲の場合は単体としてもクオリティーは確かなのですが、基本オリジナルの劇中歌は作品を通してみてナンボな部分もありますよね。
ドラマ『SMASH』は、キャサリン・マクフィー主演で2012年2月に欧米で放送された、ミュージカルテイストの海外ドラマです。
マンハッタンのブロードウェイを舞台に、「マリリン・モンロー」をテーマにしたミュージカル作品を生み出すべく、繰り広げられる”ショービジネス・サバイバルドラマ”です。
大きく言うと、先行して爆発的大ブームを巻き起こしていた『Glee』の、大人版という印象です。
映像の質感も綺麗だし、歌パートの演出も豪華で凝っていたと思います。しかし、作品はシーズン2で早くも終了してしまいます。
(※以下ネタバレ注意)
『SMASH』短命の理由は、不倫!?
短命となってしまった要因としては、単純に視聴率の低下だとは思います。シーズン1自体は高視聴率だったようですが、作品が支持され続けなかった要因として、個人的に直接視聴率低下となったシーズン2というよりも、1の方にも要因があったように思います。
シーズン1の“分かりやすい正統派ヒーロー的なの男性キャラの不在”、そして 主要キャラである作詞家ジュリア(薬師丸ひろ子似)の「不倫問題」が随所で描かれている点。余曲折があり、最終的に浮気の誘惑に負けて、旦那と子供を捨てて不倫の愛を貫くという結末。
これらが寿命を縮める大きな要因だったのではと個人的に推測します。
別に〇ッキーさんを引き合いに出すわけではありませんが、これほど多様化した現代の日本の社会においても、まだ「不倫」がこれだけ議論を呼ぶということは、それが一般視聴者にどういうイメージを与えるか再認識出来ると思います。結論として不倫相手を選択という作品の攻めた姿勢は評価できますが。
もし日本でこういう結末にするとなると、その後不倫した2人の逃走・消息不明や不幸が起きたりのデッドエンド的にすることで、視聴者のマインドを中和するケースが多いと思います。そうでもしないと、「何だ!あのドラマは!!」なんてとんでもクレームになってしまいそうな昨今。
ということで、この作品のメインターゲット層は大人の女性達だと思うので、あまり良い印象ではなかったと想像できます。まあ米国では、どういった女性像が支持されているのか詳しくは分かりませんが(強く生きる女性自体は支持されるとは思います)。
あくまでも個人的解釈なので、実際1stシーズーン好評の要因の1つとして、”家族を持つ妻が、再び一人の女性として禁断の恋愛に葛藤する”というのが逆に支持されていたのかもしれませんが。
そんな反省点を活かし(?)、向かえた2ndシーズンは、分かりやすい若手男性キャストの拡充(むしろ主人公が食われ気味)、ストーリーもショービジネス中心の硬め内容から、若者達の苦悩といった、主人公たちの等身大のストーリー寄りになりました。
しかし、実際のところ2ndから視聴率が伸び悩んだようなので、若者向けにシフトすると同時に大人の熟年層が離れてしまったのでしょうか。オリジナル曲の割合も増えて、若手俳優たちの顔見せ商業(プロモーション)的な匂いが、一部のドラマファンを遠ざけてしまったのかもしれません。一部楽曲こそ被るものの、『Glee』とも上手く棲み分け出来ていたと思っていたので残念ですが。
個人的にはシーズン2の方が面白かったし、キャスト達の勢いも感じていたので、第3シーズンは観てみたかったですね。
今回はせっかくシーズン1の楽曲だったので、シーズン1から、オススメの曲をもう1曲紹介します。
ドニー・マクラーキンの「STAND」の『SMASH』キャストによるカバーです。
Donnie McClurkin 「Stand」
歌詞は大きく言うと”やるだけのことを尽くしたのなら あとはただ「待つ」んだ”。
逃げや言い訳のためじゃなく、ただ信念を持って「待つ」ことの勇気。
※以下、劇内歌唱シーンでの日本語字幕より
「君ならどうする? すべて手を尽くしても うまく切り抜けられない時
そしてなんと言う? 友に背を向けられ 一人ぼっちになったら
君は何を与える? すべてを差し出しても 乗り越えられそうにない時
それならば ただ立っていればいい
神はすべて見ているから
最善を尽くしたら あとは立っているだけ」
これってなかなか出来ることじゃないと思います。人は何かに備えたとしても、ふと時間があると不安になって、何かもっとやらなくちゃ!と思ってしまいがちなので。
例えて言うなら、試験のとき用紙が配られる直前まで、教科書や参考書をバーっとチェックするみたいな?(ちょっと違うか・・・)
でも、試験や仕事、会議や舞台などでも同じだと思いますが
本当に自分でベストを尽くしてやってきたのなら、それまでの自分の行いを信じて、あとはジタバタせずにドンと構える勇気ということは
実際その余裕が、あらゆる良い波長を生み出すと思いますし、それが結果にも自然と繋がるものだと思います。
そういった意味では、この曲の世界感は難しいですが、人間として挑戦すべき理想象だと思います。
今回原曲も初めて聞きましたが改めてジーンとしました。
楽曲やドラマを含めて気になった方はチェックしてみてください。
ということで今回は、SMASH Cast「History Is Made At Night」/「stand」でした。