2019年最後のシャッフルレビュー第73弾。
今回選んだのはこの曲
サカナクション「mellow」
作詞作曲 山口一郎
2013年3月13日発売のAL『sakanaction』収録曲。
思考と静止。身体は止まったまま、脳内の景色がスライドしていく様な、独特の重力感が魅力。梅雨や曇り空の日に聴きたい1曲。(☆3.9)
※ちなみに上記解説文は、自身のTwitterで2017年7月のついレビュより。
とにかく聴いていて心地良い。
重厚なリズムに半白遅れて乗っかるようなサビの歌メロも、日常と空想の境界線を超越するような感覚になります。
解説と繰り返しになりますが、梅雨の時期に聞くと湿度と陰鬱さもバランスが良く、さらに響く気がしてオススメです。
“語るより感じろ”系の作品だと思うので詩もあえて深く追いたいとは思いませんし、すごく好きだという事以外あまり語ることはありません。
ただ、今年この曲と非常にリンクする曲が現れたのです。
最高を超えていくAL作品と「ナイロンの糸」
この曲の入ったAL『sakanaction』から約6年振りとなる
今年2019年6月にAL『834.194』が発売されました。
6年以上振りの新作ALで非常にハードルも上がっていたと思いますが
(その間ベスト盤の発売や、新宝島の功績を引っ張っていた印象もあったり、2枚組だし直球勝負は避けたのかななんて失礼な事を思ったりもしていた)
期待を大きく上回ってくれた、本当に素晴らしいAL作品でした。
「忘れられないの」「マッチとピーナッツ」「モス」等、何曲もプレイリスト入りしてこの夏はよく聴いていたのですが、
中でも『ナイロンの糸』を聴いた時に、ゾクッとしてしまいました。
海で裸の男女が出会う、アダムとイヴ?な主張の強いPVもあるのですが
個人的にVo山口さん出演の、カロリーメイトVerのPVが好きなので、そちらを紹介します。
本大塚製薬 カロリーメイトCM「考えつづける人」篇LONG ver
TVもそこそこ見ているのですが、今回記事作成に当たり、本人出演のカロリーメイトのCMソングだった事を知りました。
サカナクションもカロリーメイトも好きなので、こんな格好良いコラボが実現していたのを一足遅く知りテンション上がりました。
ちなみにこのカロリーメイトの関連インタビュー動画で「ナイロンの糸」は山口さんが初めて人前(友人の前)で作った曲だということ、
そして、ずっと世に出すタイミングを伺っていた曲として語っていました。
という事はこれまで「ナイロンの糸」は「mellow」の続編的に思っていたのですが
むしろ「mellow」の方が「ナイロンの糸」の派生作品だったのかもしれませんね。
2曲とも曲の世界観への没入感が凄いので、特にクリエイターの方達は好きな方が多いのではと思います。
この「mellow」と「ナイロンの糸」の打ち込み音源を合わせた、しろくまさんの動画を紹介します。
ナイロンの糸 × mellow / サカナクション GarageBand Mashup
しろくまさんの解説によると、この2曲の音階やテンポは一緒のようです。
その為か、全体的に重なるメロディーも自然に響いて、1曲として聴いても違和感がほぼ無く、心地よく聴けるのですが、
特に2曲の大サビが重なる2分50秒からのハーモニーにゾクッとします。
日常に疲れた時、ふと立ち止まりたい時、未来を今を見つめる時など
ふとこの曲たちの様に、心の深層まで浸る音楽を聴いて
音の海の中で精神が泳ぐ(開放する)こと/時間も大事にしていきたいですね。
と言う事で今回はサカナクション「mellow」及び「ナイロンの糸」の楽曲レビューでした。
ギリギリになりましたが、今回のレビューで2019年最後の更新となります。
1年間ありがとうございました。2020年も宜しくお願いします。
それでは皆さん良いお年を。