深田恭子「最後の果実」レビュー aiko「あした」 オノアヤコ「TWO OF US」カバー?異名同曲?

秋は短く一瞬なり。

シャッフルレビュー第72弾、今回選んだのはこちらの曲。

深田恭子「最後の果実」

・作詞 黒須チヒロ ・作編曲 小森田実

1999年5月19日発売の深田恭子の歌手デビューSg曲。

ミステリアスな曲と詩の世界、世紀末感が漂うPOPs。(☆2.3)

オリコンは初週4位と女優歌手としては好スタートでした。

しかし5月発売だったのか。何故か初夏のイメージがあります。

1999年7月が迫っていたというのもあるかもしれませんが、曲から漂う世紀末感というか中二病感?

でも、世界観がきっちりしているので、アイドルのデビュー曲ぽさは無いですが、こういうタイプの曲はアニメ主題歌等にハマりそうな世界観ですね。

後年はバラエティに富んだジャンルの楽曲を歌っていますが、明るいのも良いけれど

ドラマ『神様もう少しだけ』やこの曲のようなのダークな雰囲気の作品の方が似合うなと思います。

個人的には、翌年2000年8月に彼女が主演した東映映画死者の学園祭』が公開されたのですが、

映画の企画の段階で、深田恭子主演で『スケバン刑事』の新作という話が候補にあった様で、

この時の彼女は、主人公の影のある麻宮サキのイメージにも結構ハマっていたと思うので、是非観てみたかったと当時思ってました。ミニスカやあの時代(ヤマンバが渋谷で流行ってた?時期)に”スケバン”という絶滅ワードや古いイメージをどう処理するか等の問題が多かったとは思いますが、

後に松浦亜弥で新作が実現したことを考えれば、批判を恐れずに4代目に挑戦して欲しかった(何となく当時はホリプロ側が硬派・正統派イメージを重視し、コケたら黒歴史扱いになりそうなリスク回避でNG出した様な気がするが)。

ある意味深キョンの路線の後継者、後藤真希を逆輸入して挑んだ、金髪ギャルの『ファイティングガール』(01)辺りで、俳優業も歌手の路線(ジャンル)も規制を緩めた印象です。ここでの転機が後年の『下妻物語』にも繋がっている大きなポイントだと思っています。

参考『ファイティングガール』主題歌「seed」レビュー記事(新規ウィンドウで開きます)

後の、『ヤッターマン』(08)でのドロンジョ役以降、むしろアニメ(マスコット)的なキャラがハマリ路線になったのを考えると、もっと早く解禁しても良かったのでは?とも思う。

しかし、若い頃に沢山オファーがあったであろうに、下手にキャラやアニメ物に手を出さなかった事が、逆に俳優としての寿命を延ばしたとも考えられるので感慨深いですね。

さて話を元に戻しまして、この曲を語る上で外せないaikoの曲も紹介します。

aiko「あした」のカバー?リメイク?

ご存知の方も多いと思いますが、Sg「最後の果実」発売の約1年前、

1998年7月に発売されたaikoのデビューSg「あした」と、サウンドメイキングがソックリなのです。

というか同一人物(コモリタさん)が手掛けた曲なので、パクリも何も無いのですが

両者共にデビュー曲でもあり「この2曲、なんか似てない!?」という話題性も含めて狙った一つの戦略でもあったと思います。

実際aikoは「最後の果実」で、コーラスとして正式に参加もしています。

あくまでカバーではなく、リメイクと呼ばれているようですが。

さらには「最後の果実」から3年後の2002年、その”リメイク”を使った

オノ・アヤコのデビュー曲「TWO OF US」が発売されます。

この曲を含めた3曲をネット上では”異名同曲“などと言われることが多い様ですが

コモリタミノル氏は、当時プロデュースをされていたオノ・アヤコについての

インタビューで、今回のこのリメイク案件にも触れています。

最初に4曲のデモテープを貰ったんですが、歌い方に毒がなかった…逆に言えば、印象に残らなかったりする部分があるんです。

これは、作りこまないとダメなんじゃないかと思いまして…何が出来るのかな?と考えた時、(彼女の)デビュー曲の感じとかが、aikoさんや深田恭子さん(二人のアーチストも担当し、ヒットさせる)のデビュー曲とメロディーは違うんですが、同じラインなんです。

そこで、クラシックの世界と、今のテクノロジーみたいなものを、怪しいかたちで表現出来たら面白いのではないかなというのがありました。現在、二作目も担当しているので、宜しくお願いします…(笑)」

日本テレビ音楽株式会社HP内 コモリタミノル インタビューよりhttps://www.ntvm.co.jp/interview/archives/07.html

と言う事で特にカバーでもリメイクでもなく、

コモリタさん的には、”メロディーは違うが、同じライン”の曲という見解 の様です。

個人的にオノアヤコさんの曲を幾つか聞いているリスナーとしては、声質も良く歌唱力も高く、ビジュアル面でも美人系だが、とくに引っ掛かりがない感じの印象があったので

このインタビューの”毒がない“という部分に思わず共感してしまいました(悪口ではありません)。そういう意味でも、楽曲に引っかかりを加えたかったで出てきたアイディアだったのかもしれません。

「あれ?この曲・・・」とリスナーが勝手に、ざわざわとしてくれれば、予算不要で口コミのプロモーションをして貰えるわけですからね。

後で言う炎上商法に近い戦術ではありますが、同じ作者なので特に問題はないし、まだ名前の知られていない新人に狙ってこうした戦略を仕掛ける事は、あながち的外れな事でもなかったのかもしれません。

現に発売から20年(!)近く経っても、音楽リスナー達からずっと語られている小ネタ?ですからね。形はどうであれ、長く人々の記憶に残る曲という意味では、ある意味成功パターンか。

ちなみにaikoさんはそもそもシンガーソングライターなのに、デビュー曲「あした」は提供曲(2nd Sg「ナキ・ムシ」以降は自作の曲を歌い続けている)で、大人の都合で歌う事になったという記憶もあるでしょうし、さらに世間から”使い回し楽曲”という負のイメージも。

そんな訳でデビュー以降、長らくこの曲は封印?状態でライブで披露されていなかったようですが(おそらく黒歴史扱い?)、

2007年にマキシ化再発売、2008年のライブで披露してからは、度々歌われるようになったそうです。俗に言う、時の流れもそうですし、本人的にも「1周回ってまあアリかな」みたいになったのではと推測します。

今では深キョンも一過性のアイドル女優では無く、息の長い女優さんになりましたしね。aikoさん的にも、今では皆にニヤリと語れる思い出になっているのかもしれません。

実は9月にはこの曲を選曲してたので、記事アップまでかなりのタイムラグがあり不思議な感じですが。

今回候補曲の中に出てきたのでこの曲を選びましたが、深キョンのSgだったら林檎ロックな「煌めきの瞬間」(2000)の方が好きだし

個人的に彼女の好きな曲は、Sg曲以外のAL曲が上位を占めてます。

活動自体は短かったけど、彼女の楽曲達は結構好きです。

まだ聴いた事がない方は、機会があったらALも聴いてみてください。

と言う事で、今回は深田恭子「最後の果実」楽曲レビューでした。

では、次回もお楽しみに。

コメント

  1. flat より:

    aikoの2ndシングルは「ナキ・ムシ」(1999年3月3日)です
    3rdシングルが「花火」(1999年8月4日)ですね
    1st「あした」(1998年7月17日)のカップリングは既に自作曲であり、aiko名義の曲の中では「あした」だけが他者による作曲作品らしいです
    深田恭子の「最後の果実」ではコーラスとしてもaikoが参加してますね
    今となってはaikoがブレイク前にチェキッ娘(90年代版アイドリング!!!のようなフジテレビ主導のアイドルグループ)に提供した「あたしの靴あなたの靴」が真の黒歴史かも・・・曲自体はaikoが歌ってもなんら違和感のない佳曲だと思いますが

    フカキョンは歌手活動前半はアーティスト的なクールな世界観の楽曲が多く、後半には「キミノヒトミニコイシテル」のようなブリブリのアイドル的楽曲が増えるのが面白いなと思いました、普通逆ですよね
    初期の彼女はほわんとした雰囲気とどこか凶兆の影が差す雰囲気を両方併せ持つ稀有なキャラクターだったと思います
    歌唱力も決して低くはないものの例えば柴咲コウのようなシリアスな声質だったら女性の支持を受けてもっと長く歌手活動が続けられたかもしれませんね

    オノ・アヤコについては以前のエントリーでも書きましたが惜しい才能だったと思います
    「TWO OF US」「青い鳥が逃げた」「Jericho」シングル3曲はどれも良曲だと思いますが自分は特に「青い鳥が逃げた」が好きです
    コモリタミノルプロデュースで不穏で冷徹なダンスミュージックで固めたフルアルバムを聴いてみたかったなと思います
    「TWO OF US」は「沙耶の唄」という18禁アダルト(グロ)ゲームの映像とのMAD(非公式に編集された映像や音楽作品)でニコニコユーザーの一部で有名みたいです
    臓物や肉塊や流血やノイズに満ちたゲーム作品の世界観に確かに非常にマッチする禍々しい楽曲だと思います(褒めてます^^;他にこういう楽曲をあまり聴いたことがなくて何度も聴いてしまいます)
    アニソン歌手としてデビューした方が良かった逸材かなあと思いました

    • tona より:

      返信遅くなりすみません、コメントありがとうございます。

      >aikoの2ndシングルは「ナキ・ムシ」(1999年3月3日)です

      ※記事中の2nd「花火」⇒「ナキムシ」に修正しました。ありがとうございますm( )m
      コメントを読んで「ナキムシ」の存在を思い出しました。今までずっとインディーズだと思ってました。
      ブレイク直後に3万だか5万枚?限定で再リリースされた時に、店を梯子して何とか購入出来たのを思い出しました。

      >aiko名義の曲の中では「あした」だけが他者による作曲作品らしいです

      シンガーソングライターとは言え、提供曲も何曲かあるような気がしていたので、
      ここまで徹底していたとは凄いなと思いました。今年Sgコレクションの様な物を出したので
      今後は、逆に他者の曲を歌うことも希にあるかもしれませんね。「デビュー前にアイドリングに~」は初耳でした、『トイレの花子さん』といいフジと繋がりがあったんですね。

      >後半には「キミノヒトミニコイシテル」のようなブリブリのアイドル的楽曲が増えるのが面白いなと思いました、普通逆ですよね

      そうですよね、以前flatさんと同じ指摘されている方がいて、確かに!と思いました。
      上戸彩も当初は平成の山口百恵推し?みたいな感じで、徐々に普通のアイドルぽくなりましたが、コメントにもある柴咲コウ辺りも初期は元ちとせ系や、中島みゆきに依頼したり(ダンスミュージックを省いた工藤静香路線?)近い所があるかもしれないですね。
      事務所が力を入れている女優歌手の人に多いイメージ戦略なのかもしれません(最初ガッチリ⇒徐々に緩める)。

      あとは記事にも追加しましたが、彼女のCDデビュー後、ビジュアルや空気感の似ている後藤真希が現れ、
      モー娘も大ブレイクし、ガヤガヤ・ワイワイ系?が流行っていた中、
      彼女というより事務所が、意識してウチは正統派で~みたいな感じで行こうとしていた気もします。
      規制が解除されたのか、色んな意味で2001年夏の金髪『ファイティングガール』が一つの転機になったと思います(その後の転機は『ヤッターマン』ですね)

      まあ確かに売り出し時期に、沢尻や長澤まさみ等がスポンサーに媚びてブリブリの曲を安易に歌ってたら
      その後の出演作品や路線に大きな影響も出たでしょうから
      深キョンの場合も一旦ちゃんと演技派の印象を残した事で、砕けたことも出来る(見せられる)段階になったという感じなのですかね。

      >コモリタミノルプロデュースで不穏で冷徹なダンスミュージックで固めたフルアルバムを聴いてみたかったなと思います

      今年念願のオノさんのAL聴きましたが、既存曲以外はJericho路線でしたね。
      Jericho新規の自分としては複雑な所もありますし、レコード会社の見積もりも知りませんが
      あそこまで路線を変えるのであれば、1st,2ndとそこそこ売れたのだから1stALまではコモリタさんプロデュースで貫いた方が、楽曲面も安定して固定客は掴めたでしょうね。
      AL前にどちらの層も取り込もうとして、空中分解してしまったイメージですね(ALは悪くありませんでしたが)

      唯一救いなのが、その後の彼女の改名後の路線から察するに
      Jericho路線は嫌々では無かった(であろう)事に、ホッとします。

      そうですね、提供曲毎に色んな表情を器用に出せるタイプの方だと思うので、
      チャンスやタイミングが少し違ったら、アニソン歌手で大ブレイクしてたかもしれませんね。^^

      相変わらず、色んな話題でまとまらず超長文で失礼しますm( )m

  2. flat より:

    年またぎになってしまいますが明けましておめでとうございます

    >「デビュー前にアイドリングに~」
    正確には「『花火』でブレイク前にチェキッ娘に楽曲提供」ですね
    https://www.youtube.com/watch?v=xIHScGIWR3Y
    キャッチーなのに歌うのが難しいというまさしくaiko節w多分チェキッ娘にとってはかなり歌いづらかったと思います
    aikoはフジサンケイグループのレコード会社であるポニーキャニオンの音楽プロデューサーにスカウトされたらしいので「新生 トイレの花子さん」「がんばっていきまっしょい」などフジが絡むタイアップが多いかもしれません

    今年もよろしくお願いします

    • tona より:

      いつもコメントありがとうございます。こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
      flatさんのコメントのおかげで、自分だけの1方向からのレビューにならずに、
      作品をより多方向から考察する事が出来ていると思うので、感謝しています。m( )m
      ロム専の方も共感して読まれてる方も多いのではと思います。

      こう書くと余計書き込みづらいかもしれませんが
      初見の人も、常連さんも書きたい時(又は多々ある勘違いに突っ込みたい時^^;)に
      気軽に書き込めて、皆で作品の世界観を拡張・共有が出来たら良いなと思ってます。

      >キャッチーなのに歌うのが難しいというまさしくaiko節w多分チェキッ娘にとってはかなり歌いづらかったと思います

      花火でブレイク後の提供でしたか。リンク先の曲を聴きましたが普通に良い曲ですね。
      確かにこのVoの子は、aikoの仮歌にかなり影響されてるな(しかし、歌いにくい)というのが伝わってきました。

      aiko自身が歌うには甘酸っぱい世界観なのかもしれませんが、それこそ彼女の一番の十八番の季節な気もするので
      今後も思春期のアイドル達に楽曲提供してほしいなと思いました。

      >aikoはフジサンケイグループのレコード会社であるポニーキャニオンの音楽プロデューサーに

      そう言えば、思いっきりポニーキャニオンでしたね。だから現在に至るまでフジの印象が強かったのだとスッキリしました。^^

      • flat より:

        ご返信ありがとうございます
        こちらこそお優しいお言葉に感謝しますm(__)m

        >>花火でブレイク後の提供でしたか。
        小姑みたいにしつこくて本当に申し訳ないのですが^^;
        チェキッ娘1stアルバム「CXCO」(aiko提供の「あたしの靴あなたの靴」収録)が1999年7月7日発売
        aikoの3rdシングル「花火」が1999年8月4日発売
        なのでaikoのブレイクポイントを「花火」と定義するならばチェキッ娘への楽曲提供はaikoのブレイク「前」ということになります

        これ以外にaikoはアイドル系に楽曲提供は皆無らしいので、もしチェキッ娘への楽曲提供の話がブレイク後に来てたとしたら断ってたんじゃないかなあ・・・
        所属レコード会社のポニーキャニオンにAKB、坂道、ももクロなどの圧倒的勝ち組アイドルが居たらaikoの楽曲提供ワンチャンあったかもしれませんが(一応「渡り廊下走り隊」は居たけれども)
        aikoプロデュースのアイドル楽曲とか聴いてみたいですよね

        再三の指摘でお気を悪くされたら本当に申し訳ないのですが・・・
        「ナキ・ムシ」は間に中黒(・)入れるのが正確な表記です
        aikoのファンほどこういう細かな違いが気になって、せっかくのエントリーの面白さが読者さんに伝わりにくくなってしまうかもしれないと思ったので、僭越ながらお伝えしますm(__)m

        良い一年となりますように

  3. tona より:

    >正確には「『花火』でブレイク前にチェキッ娘に楽曲提供」ですね
    思い切りコメントでこう書いてあったのに、勘違いしてしまいました、すみません。
    やはりその後にアイドルへの提供は無いのですね。まあ、ある意味ご本人がずっと一線で頑張っている事の現れでもあると思うので。密かに未来の楽しみにしたいと思います^^

    >「ナキ・ムシ」は間に中黒(・)入れるのが正確な表記です
    長文タイトルだったりする場合、あえて省略したりする事はありますが
    「ナキ・ムシ」に関しては、普通に忘れてしまっていました。ご指摘ありがとうございます。(本文の修正しました)

    お気遣いありがとうございます。自分自身、スペルの大文字や小文字が間違っているだけでモヤっとしてしまうので
    ファンであるほど細かなことに、気になるというのも、すごく理解できますので遠慮無用です。
    読者の方が(気分的にも)読みやすい方がやはり嬉しいですからね、ありがとうございます^^