シャッフルレビュー第64弾。
今回の曲はこちら。
The gardens「約束の場所」
・作詞 JUNKO ・作曲 伊秩 弘将
1999年5月12日発売Sg曲。TBS系ドラマ『L×I×V×E』(ライブ)挿入歌。
夢への旅路を進む中で、かつて約束した未来や誓いをふと振り返りながら、
今になって分かる、思いや言葉を胸に、さらなる約束の地へと前進していこうとする、卒業バラード曲。(☆2.7)
卒業ソングとしても、歌詞もサウンドも前向きかつ、
しっくりくるスケール感で、良質のPOPSだと思います。
ひとつ言えば、AメロでどうしてもCocco「遺書」のAメロが浮かんで来てしまう位ですね。
このガーデンズというと、世間では「バイバイ ブルーの人」(当時生理用品CM曲を担当し、このフレーズが使われていた)かもしれませんが、
自分としては、伊秩 弘将 版の”globe”という印象でした。(小林武史だとMy Little Loverか)
個人的に今でこそTKリスペクトですが、TKブーム全盛の時はブームに乗っかるのが嫌で、小林武史の(こちらもTK)ファミリーを支持していたりと
どちらか言うと、リアルタイムではglobeよりもガーデンズの方が思い入れは強めでした。
この曲が収録されたAL『HORIZON millenium album & singles』は、
タイトル通り”Singles”と”オリジナルAL”の2枚組です。
この「約束の場所へ」が入っているSingles盤diskの方も、まずまず佳作揃いではあるのですが、
とりあえず、Singles盤がおまけ(特典Disk)に感じるほど、
オリジナル盤diskの方の完成度が高く、今でも歴代TOP10に入るくらい大好きな1枚です。
同じく伊秩プロデュースで、前年に解散を発表したSPEEDのコンペから漏れた曲達も混ざっているのでしょうが、十分過ぎるほどの良曲群です。
ガーデンズは基本バンドサウンドで、曲のテイストは多少違うものの『Carry On my way』のALが好きな方は、このALも気に入るのではと思います。
ドラマ『L×I×V×E』シューティングスター♪
ドラマ『L×I×V×E』は、TBS系で1999年に放送された学園ドラマで、廃部寸前の吹奏楽部を、立て直していく物語です。
SPEEDの今井絵里子、新垣仁絵がW主演しました。(実は、ずっと今井の単独主演だと思っていた…)
若手時代の藤原竜也、柴咲コウ、内山理名、星野真里、上地雄輔等も出演していた様ですね。
リアルタイム時は、初めの方だけ観ていたので、とりあえず、今でも仁絵ちゃんがストリートファッションで、海岸でゴツめのサックスを吹いてたシーンの印象は残ってますが^^;
この曲がドラマ内で演奏曲として使用されていたと知ったのは、ドラマ終了後だいぶ経ってからでした。
観れなかったことは残念でしたが、吹奏楽の中ではそこそこメジャーな?POPs楽曲の様で
吹奏楽版の音源を視聴できる動画を発見しました。
ドラマ盤のそれとは多少違うと思いますが、雰囲気は伝わってきます。
原曲の優しい感じと明るい感じが、アレンジにもマッチしていますね。
機会があれば、ちゃんと全話観てみたいですね。
「変わらない」の定義
歌詞としては、基本的に過去を回想する視点ではあるけれど
その過去の想いや意思を受け止めつつ、全力で肯定しているので、前向きになれますね。
子供の頃は大きくなっても「今(子供の頃)と変わらない気持ちを持ち続けることが正義」
みたいなものが漠然とありましたよね(勿論、個人によると思いますが)。
だけども、社会に出ると変化、進化、環境/状況に対し変わり続ける事が求められるようになる。
「変わらないようにすること」=(イコール)「成長も放棄する」事ではないとは
分かっていても、何かが変わることに不安や恐怖を感じてしまう事もあると思います。
ほとんどの場合、それぞれの環境下で適応する力が伸びていく場合が多いと思います。
“強さ、思いやり、純真さ、成熟さ、行動力、自由さ、個性、協調性、統率力”など
成長することで、全てのパラメーターが同時に上がればそれに越したことはないのだけれど、
現実には、どれかの要素が上がれば、どこかの値が犠牲になって下がるということも多いと思います。
全体をしてみれば、人間として前進し成長しているのだけれど
同時に(もう当人には必要無いものかもしれないが)手放し、失っていくものもあるのも事実。
そうした少しのマイナスが、”誓約に縛られる、損得を意識する、汚れたり、ズル賢くなる“等の大人になることのネガティブなイメージと結びついて、
「変わらない事への正義」 の意識が高くなるのかもしれません。
だけど多くのティーンエイジャー達も、否応なしにそういった変化がまもなく自分達にも訪れるという事を、理解/覚悟した上での宣誓だと思うんですよね。
そういう意味でも「ずっと変わらないでいようと約束したあの日の誓い」という眩しすぎるフレーズが
“儚い事かもしれないけど、ただ真っ直ぐに今を生きる“という若者の正義感が痛いほどリアルに伝わって来ますね。
イメージジャケット
今回も、曲をイメージしてジャケットを描いてみました。
こちらです。
誰にもあるはずの、あのころの約束の場所(夢や希望)。
この絵では、自然の描写ですが、それはビルや雑踏に置き換えても良くて。
目の前にある景色の中に、どこかでその想いの道が続いているというイメージです。
今回は曲の印象も「自然」の印象が強かったので、スケッチ画の感じでシンプルになりました。
風景画の場合、色を塗ると失敗することが自分は多いので
モノクロ前提に描いていました(最終的にうっすらとカラー入れましたが)。
という事で今回は、The gardens「約束の場所へ」の楽曲レビューでした。
年内にあと一度更新できるかな? 次回もお楽しみに。
コメント
懐かしいですねえ、といってもドラマはたまに流し見してたくらいですが
EDのSHOOTING STAR(八反安未果)をバックに今井絵理子がフルートを吹く映像が記憶に残っています
自分も仁絵ちゃんはジャズバーかどこかでノリノリでサックス吹くイメージしかないですねえ^^;
約束の場所へはドラマよりもそのCMとかでかかってるのを聞いた記憶があって「いい曲だな」と思いました
卒業シーズンから2か月ほど経ってからのリリースと言うのも回想がメインのこの歌の世界観に丁度良かったと思います
初夏の爽やかな空気とサウンドもとても合っていましたし
個人的にはもう少し力みが取れた歌唱の方が初々しさや切なさが出て良かったのでは?と思ったりもしますがやっぱり名曲だと思います
良いお年をお過ごしください
>卒業シーズンから2か月ほど経ってからのリリースと言うのも回想がメインのこの歌の世界観に丁度良かったと思います
コメントありがとうございます。そうですね、歌詞からも「卒業写真」のような回想系、卒業ソングというイメージで記事を書いてましたが、
確かに考えてみれば卒業時期が終わった直後の、4月クールのドラマの挿入歌でもあったので、伊秩さん的には卒業ソングというよりも少し違う方向性で、描かれた世界観なのかもしれませんね。
>個人的にはもう少し力みが取れた歌唱の方が初々しさや切なさが出て良かったのでは?と
この曲に限らずガーデンズの曲はVoのJunkoさんの声質からも、globe(Keiko)を意識していた部分もあるかもしれませんが、エネルギッシュですね。
ドラマタイアップで勝負曲だ~!という作品の世界とは離れた部分での気負いもあったかもしれませんね。
商業的なヒットにはなりませんでしたが、
卒業した人、これから卒業を迎える人どちらにも感じる普遍性のある曲だと思うので
今後も長く愛されて欲しいと思います。
ありがとうございます、どうぞ良いお年をm(_ _)m
伊秩弘将版のglobeと言うと自分はHIMを思い出します
ウィキペディアの記事ですが「小室サウンドの踏襲がコンセプトの一つでボーカルの選考基準はtrfのYU-KIと歌声が似ていることだった」などと書かれており、
実際デビューシングルの「BECAUSE OF LOVE」は当時(95年4月)の小室サウンドにかなり近くメインボーカルの歌い方もYU-KIにそっくりです
まだglobeがデビュー前なのでglobeを手本にすることはもちろんできませんがtrfとglobeは同じ小室プロデュースでメインボーカルの声質も近いのでHIMはかなりglobeにも似ています
The gardensはバンドサウンドにやや低めの声質でハキハキ歌うJunkoのボーカルが乗っかるユニットだと思うんですが個人的にはTKブーム以前の90年代前半のガールポップ的なソロプロジェクトだと見ていました
コメントにあった、HIMの「BECAUSE~」を聴いてみましたが、
もう、バリバリでご指摘の時期のTKサウンドですね。
篠原「愛しさと せつなさ~」とTRFサウンドの集合体の様な世界観で、
往年の小室ファンならばニヤリとしそうな曲だと思いました。
>The gardensはバンドサウンドにやや低めの声質でハキハキ歌うJunkoのボーカルが乗っかる
そうですね、1stの「Futures Memories」が打ち込み系でglobe色が強めな位で
基本的にはバンドサウンド系でしたね。
先述のHIMの事を知った今では、確かに伊秩版globe(trf)というとHIMというのが、しっくりきますね。
「HIM」はなんとなく字面で見た事があるかもしれませんが、アーティストとしては今回初めて知ったので
匿名さんのコメントのおかげで、興味深い知識がまた増えました。ありがとうございます^^