シャッフルレビュー第43弾です。今回の曲はこちら※大幅追記有り
YUKI「うれしくって抱きあうよ」
2010年2月17日発売の、翌月の同名アルバムからの先行シングル。
・作詞 YUKI ・作曲 mugen
柔らかな風を感じるサウンドの優しいミディアムナンバー。
巡りゆく日々の生活の中の、ふと忘れがち/通り過ぎてしまう様な小さな幸せや感動を気付かせてくれるような曲です。
また、(春に向けて)少しずつ育まれる生命の息吹や情感も感じることが出来ます。
短編小説を読んでいるかのような歌詞のフレーズも良いです。
ショートフィルム風PVもうれしくって抱きあうよ
YUKI 『うれしくって抱きあうよ』
数年ぶりに見ました。ショートムービーなPVですね。このショップ店員のYUKIが新鮮で優香っぽい甘いオーラ出てます。
リリース当時アルバム付属のDVDでこのPVをリピートして観てました。
PV後半の森のシーンでのミュージカルぽい世界含め、ちょいシュールで味があって好きです。
連鎖する幸せのリフレインが うれしくて抱きあうよ
この曲の歌詞は、男性目線(都会の詩人家?)を意識して書かれたというYUKIさんの歌詞も新鮮ですが、何よりサビで繰り返されるタイトルフレーズの”うれしくって抱き合うよ”が印象的です(このフレーズ自体はmugen氏の仮歌の段階で入っていた様ですが)。
歌詞の構成も面白いです。文学的というか、切り貼りされた短編小説のオムニバス感というのでしょうか。(世界観がバラバラという意味ではありません)
例えばサビのフレーズも『ハナウタで閃いた! / 希望の咲く丘目指せ / シグナルは青になる / うれしくって抱き合うよ』
一見、ひとつの文章というよりも、わりと各々が独立した歌詞なんですよね。でも俳句の上の句と下の句じゃないけど、最後には、どこの(上の句)フレーズを切り取っても、下の句の《うれしくって抱き合うよ》というストーリーにビシッと繋がるような。
続く2番のサビも
『幸せを持ち合わせ / 1人より2人なら / レコードは回りだす 』も、『雲の上で待ち合わせ / 忙しい僕ら歌う / 優しさに出逢う度』も
倒置法的に切り取られたフレーズで、それぞれ別の物語が1本ストーリーに通じているような感じ。このオムニバス感が文学的にも映像的にも広がって来て素晴らしいなと思います。
またこのタイトルフレーズを含めYUKIさんの歌声が、彼女自身もそうでしょうし、聴いてるこちらも幸せな気分になります。
厚かましくも、受け売りでもない 優しく暖かい幸せの波動を、人間が発するパワーというよりも、動物や植物の発する自然のそれに近い波長で伝えてくれている気がします。
この曲の旬な時期は、やはり冬の終わり~少しずつ暖かくなっていく(生命力の高まる)春の時期がピークだと思います。
この曲も収録されている、アルバム『うれしくって抱きあうよ』では、他にはオープニングの「朝が来る」も伸びやかに生命力溢れる曲でオススメです。
面白過ぎる上京物語も うれしくって抱きあうよ
今回記事制作にあたり、YUKIさんの映像や(ラジオの)トークを幾つか聴きましたが、中でも函館での就職活動、バスガイドへの就職から上京までの話がとても面白かったです。
これまで、JUDY AND MARYでのデビュー後の彼女しか知らなかったので、非常に興味深く聞けました。
しかも彼女のトークがまた面白い。話術のレベルが高いというよりも、愛嬌のある話し方なので、ワクワクしながら楽しく聴けました。
何というか教室でクラスメイトの女子が隣で面白話をしてて、ついもらい笑いしちゃうような感じの距離感。身近に感じる飾らないトークスキル、これも立派な才能だなと思いました。
気になった方はこの曲と合わせてチェックしてみてください。
ということで今回はYUKI「うれしくって抱きあうよ」のレビューでした。
次回のレビューも、うれしくって書きますよ^^