シャッフルレビュー第86弾。
今回選ばれたのはこの曲
B’z「 FIREBALL 」
1997年3月5日発売のSg。資生堂「ピエヌ」CMソング。
・作詞 稲葉浩志 ・作曲 松本孝弘 ・編曲 稲葉浩志、松本孝弘
荒々しくギアチェンジするようなスリルあふれるサウンドに、
ハイトーンVoとコーラスも印象的なRock曲 (☆3.7)
B’z / FIREBALL (Bz)
良いですね。ヘビーでダークなメロディーも程よいPOPラインを維持しているので聞き易い。
ゲームのダンジョンの奥で待つボスのBGMぽい。
まぁ、これはこの後お話するタイでアップCMとの兼ね合いで
生まれたのだと思いますが、Aメロは王道で、Bメロで一気に加速してサビへ突入かと思わせて
一旦ブレイク挟んでサビに入る構成。
そして随所に入る、稲葉さんの時空を歪ませる様なロングトーン歌唱が
この曲の特徴であり肝であると思います。スリリングだ。
個人的に、音楽リスナーから少し距離を置いていた時期があり、
この曲がリリースされた時期に本格復帰した事もあって、曲を聴くと帰って来たぞ!な感情にもなります。
ピエヌCMソング「メイク魂」の呪縛と対処
この曲はタイトルだけだと、野球中継のテーマ曲ぽいですが
資生堂ピエヌの化粧品CMソングだった為、
“メイク魂に火をつけろ“というワードが指定されていたようです。
かつてトレンディドラマに『ハートに火をつけて』なんて作品もありましたが
“魂に火をつけろ“なんかもバブル期ワードっぽい印象ありますね。(この曲は97年でバブル崩壊後ですが)
バブルぽさを持ちつつも、一方で時代に左右されず
人間のアドレナリンに響く普遍的なワードでもあるかなとも思います。
まあそれがメイク魂になってしまうと一気に広報色が強くなってしまうのですが
この曲の場合は苦肉の策で、サビに入る前の叫びで
メ~イッ(ク)魂に火をつけろ~♪
と稲葉さんのVoテクで上手に昇華させてますね。
また、”○○な○○だ!さあ 魂に火をつけろ!” (←センス・・・)
な風に文章の後半で使うことの多いワードだと思うので
そういう意味ではサビ頭に使う事で、
違和感と共に強烈なインパクトを残しているので
CMでのタイアップの成約を、ダサくなることもなく
先述の様にサビに入る構成、稲葉さんのロングトーン歌唱が
この曲の肝になっているので
上手く調理できた大成功例だと思います。
ちなみに、その後のピエヌのCMシリーズで矢沢の永ちゃんやNOKKOさんらの大御所も
♪メイク魂に火をつけろ(/た)♪
とオリジナルのCMソングを歌ってリリースもしていました。
矢沢氏は「still」のSgでは”MAKE魂に 火をつけろ“だった歌詞が
ALで”逢いたくて また今も“と全く違うフレーズに置き換わっている様です。
Nokkoさんの「春雪うさぎ」では、ふんわりした曲に合わせて
“メイクだましいに んー火をつけた“♪と世界観に溶け込むアレンジにしてますね。
TOSHI & 葉加瀬太郎(すごいタッグ…)の「NATURAL HIGH」では
“So you can メイク魂に火をつけろ“とガッツリ入っていて3回ある曲中のサビで3回共登場しているので
上記のアーティストの中では、この異色なコラボからして
ピエヌのCMありきのコラボ楽曲だったのかなと感じました。
途中で1拍置いて、you can make~とも聞こえるような感じにはしてますね。
各アーティストもお仕事なのでタイアップ上のルールは守りますけど
ちょっと小っ恥ずかしいのか、ちょこちょこアレンジして音源化してますね。
細かな時期は不明ですが少なくとも、
2000年1月からのCMで出演者を一色紗英さんでリニューアル。
その際ラルクの「NEO UNIVERSE」がタイアップした際には、歌詞のメイク魂~の縛りは撤廃となってますが
皮肉にもに1998年にラルクが「ハートに火をつけろ!」というタイトルツアーを行っていたという。(これは純粋に砕けて、狙ってバブル感を出したと思われ)
と言う事で、今回はB’z「FIREBALL」楽曲レビューでした。
次回もお楽しみに。