Cocco「カウントダウン」レビュー 好奇心で聴いてはいけない歌 ブーゲンビリア

シャッフルされた楽曲15曲の中から1曲をセレクト。そんな音楽レビュー第9弾。※追記有り
 
今回選んだ曲はCocco「カウントダウン」です。
 
今回はこの曲が再生された時に、ついにこの時が来たか・・・という自分にとって曰くつきの曲です。
 
今回のレビューは、曲というよりも、本シングルも収録された1stAL「ブーゲンビリア」と合わせて、思い出話が中心です。
 
※精神的グロ注意・この曲を聴いたことがない方や気分が落ちてる方は再生オススメしません。
Cocco – カウントダウン 【VIDEO CLIP SHORT】  (Cocco)
 
音楽レビューでわざわざ、上記のように注意分を入れるのは今回くらいだと思いますが、まあ念のため。詳しくは、記事中頃で。
 

97年3月21日発売、本人作詞作曲のデビューシングルです大好きな方沢山いると思います。

 
激情・疾走感溢れる格好良い曲です。詩も、物語の構成から言葉のはめ方も、センスが良いです。
 
デビュー曲で、これは・・・凄すぎて、彼女のフォロワー的歌手でも、この曲を超える作品は狙っても、出てこないと思います。
 
この曲は絶妙に嵌って成立しているので、狙ったら絶対ダサくなってしまうはずです。
何より曲に込められてる執念(パワー)が凄すぎます。
 
ちなみに尾藤イサオ氏の娘である尾藤桃子さんの1998年のデビュー曲「Ru Tu True」を当時聞いた時に、曲としては本格的なロックサウンドだし、決してダサくはなかったですが、PV含め明らかにCoccoを意識した感じが、もったいないと思いました。
 
 
Coccoと西田ひかるの歌声
 
余談ですが、当時から彼女の声を聞くたびに、西田ひかるさんの声に似てると感じるんですよね。自分だけですかね。
 
そういう意味でも、歌っている音楽の方向性は違うけどCoccoの声は、もともとアイドルとしても通じるような、驚くほど純粋で、キレイな声だと思います。
「SweetBerry Kiss」等の英語曲だと一層その声の綺麗さが引き立ちますね。
 
 
さて、冒頭でこの曲をいわくつきと言いましたが、この曲との出会いをお話します。
学生の時、毎週聴いていた某アーティストのFM番組で
「初めに聞いたときに衝撃を受けた曲」として、紹介されたのがこの曲との出会いです。
案の定自分も、衝撃・・・というかやけに耳に残って、どうしてもまた聴きたくなり
それから2、3日後(シングル盤と迷いましたが)この曲の収録された1stAL「ブーゲンビリア」を買いました。
※ここから先の表現は、あくまでも当時音楽を聴いて感じたことで、アーティストの音楽性の批判や否定の意味合いは全くありませんのでご了承を。
 
家で聞いてみると・・・
音楽の中で”好きだの愛だの、嬉しい悲しい”を超越した憎悪や呪怨・復讐などの情念がうごめき、音楽を最大限に利用して暴れ狂う、暴力性を感じました。
 
アルバムを聴いている途中で”あっ、これはガチで、やばいやつだ”と本気で「(聴いてしまって)すみません」と何度も頭の中で、繰り返したのを強烈に覚えています。
 
そんな音楽それまでありませんでした。確かに「カウントダウン」の曲に引き込まれた自分がいました、だけど他のPOPSの様に、カッコイイからとか、興味本位で気軽に聴いていいアルバムじゃなかったと気づきました。少なくとも当時の自分には。
 
それだけアルバムに、漂う気迫や重たい感情が多いです(曲毎に世界観は違いますが)。それまでは、曲を聴いて感動したり、元気が出たり、感情的になったり、泣けてきたり・・・と音楽による感情の起伏は多々ありましたが、全て最終的にプラスエネルギーとなるものでした。
 
この曲というかアルバムで、生まれて始めて音楽で、精神がやられて、かなり沈み堕ちました。
それからしばらく音楽が気持ちよく聞けなくなってしまいましたね。
 
1度は通して聞きましたが、リピートする事もなく(唯一「カウントダウン」と「遺書。」は何回か聞きましたが)、なんでこのアルバム買って(聴いて)しまったのだろうと深く後悔しました。
ともかく手元にあるのは危険だと感じ、すぐにCDを売りに行こうとした位で
とりあえず店の袋に戻して、色んな意味で封印しました。(結局現在でも実家に眠ってますが)
 
その後持ち直して、また音楽も気持ちよく聴けるようになったので良かったですが。
 
今でも音楽の影響力は大きいですが、当時はより大きく影響をうけていたので
ああ、音楽って本当に生き物というか、良い方向にもそうでない方向にも行く
とてつもないパワーがあるのだと改めて、思い知らされました。
 
その後ネットやレビューでも、落ち込んでいるときはCoccoの曲はキツくて聞けない等の声が多いのを見て、ああみんなそうなんだ・・・とちょっとホッとした覚えがあります。
あの頃の自分がちょっと救われました。
 
 
彼女のLIVEに昔1度だけ行ったことかあるのですが(上記出来事の1年後位)、そこで
「カウントダウン」のイントロがはじまったときに、封印以降聞いていなかったので、少し冷や汗と
一瞬、聴いて大丈夫だろうかと、唾をゴクリと飲み込む思いでした。
まあ心配することなく、曲の1つとして聞けたので、安心しましたが。
 
思えばリリース当時2ndAL「クムイウタ」が欲しかったのですが、直感で回避した(聞かなかった)のも
その後、この「ブーゲンビリア」を聞いたときに、”ああ、ある意味よかったのかも”と自分の勘に安心したのを覚えています。
 
まあ2ndは唯一、未だに聞いてないアルバムで、なんとなく1stよりは音楽(重さ)的に聴きやすいのかなとは思いますが。
 
1枚目のベスト版頃からは他のPOPs、ROCKの曲の1つとして聴けるようになってきて、
今ではこの曲が選ばれたことからも分かるようにプレイリストの1曲として入っている位で。
 
アルバムは未だに封印されたままですが、今聞いてもおそらく大丈夫でしょう。(と書いたら不安になってきた)
 
ジャンルはちょっと違いますが、Portis Headも自殺系アーティスト(聴くと病む)と言われていて、このアルバムのことがあったので
聴くのを何年か我慢してましたが、勇気を出して聞いてみたら、特に悪い心理的影響なども無かったので、
客観的に自分にとっては、あの時期やタイミングが影響をされやすい時期だっただけかな?とも思いました。
 
ただ、大人の方でもちょっと落ち込んでいたり、あまりいい状態じゃない時は、聴く音楽も ちゃんと気にかけたほうがいいと思います。それぞれの今の自分が求めてる曲がありますからね。
 
長々と語ってしまいましたが、「ブーゲンビリア」のアルバムの批判では決してありません。
大げさかと思いますが、曲として聴くのはクリアしたとは言え、あの頃このアルバムは本当に怖くてトラウマと化してしまっていたので、こうして文章として書いて決着をつけたかったのです。
 
このアルバムが大好きな方も、助けられた・プラスのパワーをもらったという方も、当然大勢いると思います。
 
アルバム自体は楽曲メイクはきちんとされていますし、アーティストの1stとしても品質は高いと思います。中でもアルバム曲「遺書。」は、当時でも良い曲だなと印象的でしたし、興味がありそれぞれの体調に合う方はチェックしてみてください。
 
音楽は素晴らしいです。音楽にはパワーがあります。だからこそ、受け取り方次第で、色んなパワーが生み出されます。
たたそれだけですね。
 
あの頃は、このアルバムが恐怖でしたが、音楽の多面性を知れた重要なアルバム、曲でした。
 
次回もまたお楽しみに。
 

コメント

  1. 匿名 より:

    管理人様は感受性豊かなのですね、素敵なことだと思います
    自分はCoccoを聴いてもそこまで感情を揺さぶられることは無かったのですが特に初期の楽曲群は誰にも真似できない世界観だと思います
    カウントダウンのカップリングのWay OutもいきなりCoccoの悲鳴から始まる凄まじい暗黒曲でカウントダウンよりこっちの方が体力持っていかれるかもしれません
    全編自殺寸前の精神状態を描いたような歌詞と歌唱でアウトロが断末魔みたいな声で「出口はどこにあるか教えて どこまで行けばいいか教えて・・・」ですからね
    カップリングのもう一つの曲が遺書。ですからもう日本最凶のシングルかもしれません

    2000年以降は自己模倣の色が強くもうあの時点でやり切ったと思った気がします
    しかし活動休止前ラストシングルの焼け野が原はファンへの感謝とか活動の美化とか甘っちょろいセンチメンタリズムはかけらもなく最後にまたCoccoらしさを全開にしてくれました
    唯一無二とはこういうアーティストのことを言うのだなあ

    • tona より:

      >カップリングのもう一つの曲が遺書。ですからもう日本最凶のシングルかもしれません

      コメントありがとうございます。「Way Out」気になったので、iTunesで見たらベスト盤に収録されていたので今聞きながら書いています。初期Coccoは、現実と切り離されたハードな歌の世界というより、ノンフィクション感が強いところが、聞き手の心理も引っ張られやすいのかなと思いました。

      >2000年以降は自己模倣の色が強くもうあの時点でやり切ったと思った気がします

      同意ですね。Sg「水鏡」を聞いた時に、2周目感というか、本人は本当にハードな世界観の曲をまだやりたいのかな?、レコード会社もしくはリスナーから求められて、歌ってるんじゃないのか??と感じていました。
      「けものみち」も、そこそこ好きでしたが、どうしても求められているから見せているショーホラーの世界観という気がしました。個人的には「星に願いを」は大好きでしたが。セールスの伸び悩みもあり、もう2000年からは、完全に”本人の発信したいこと<商業ビジネスとしての音楽”という図式になっていた気がしますね。

      こうした事を続けるのは、アーティスト本人に一番精神的負担が掛かるものですが、翌2001年の活動休止も自然の流れだったのかもしれません。

      >しかし活動休止前ラストシングルの焼け野が原はファンへの感謝とか活動の美化とか甘っちょろいセンチメンタリズムはかけらもなく最後にまたCoccoらしさを全開にしてくれました

      この匿名さんのまとめ方、素晴らしい。まさに、その通りだと思います。休止に関しては色々と憶測もありましたが、それらを一蹴する位の破壊力で。最後にしっかりと(記憶面でも)爪痕を残すというか彼女らしい締め方でしたね。

      • 匿名 より:

        ご返信ありがとうございます
        Way Outはあんまり体調が良くないときはおすすめできないです^^;
        これも狙ってやるとダサくなる歌なんですが気迫がもう他のメンヘラ系歌手とは全然違う・・・

        あ、管理人様もやはり水鏡とけもの道は二番煎じっぽく感じましたか
        特にけもの道のPVがやり過ぎて過剰だと自分は感じました
        かつてのシングルと比べてこれはCoccoが今やりたいことではないような・・・
        羽根~lay down my arms~のような諦観や虚無感を歌った歌の方が当時の本人の実存に近かったと思います
        星に願いをはサウンドは当時の本人の好みだと思うんですが歌詞は無理やり攻撃的にしている印象を受けました

        焼け野が原のコメントをお褒めいただきありがとうございます、うれしいです^^
        最後のシングルでここまで徹底して突き放されるとファンも黙らざるを得ないし凄い覚悟ですよね

        • tona より:

          はい焼け野が原という締めは今でもカッコよかったと思います。

          >特にけもの道のPVがやり過ぎて過剰だと自分は感じました

          「けものみち」は、ホラーショーとして楽しむ作品なのかもしれませんね。水鏡も含め意見が揃うということは、他にも同じように感じてどこか醒めてしまったリスナーも多かったのかもしれませんね。それが自然とセールスにも表れたと。

          当時AL『ラプンツェル』発売後の雑誌インタビューで、本人の「”水鏡”は売れないだろうなと思った。今度の”星に願いを”は、(少し冷めた感じで)ああーこれは売れる曲だろうなと思った」という様なコメントが、Coccoがセールス動向を口にするのは珍しいなと印象に残ってます(結果的には先行Sgだった「けもの道」より大幅にセールスダウンに)。

          リスナーや会社の求める世界観に反して「ポロメリア」や「羽根」の様な曲こそが当時の彼女の等身大の世界観だったのかもしれませんね。

  2. みか より:

    やっぱりcoccoの曲は私も初期は聴いていて病みそうになりました。
    あと震災前後にも彼女はよくミュージックステーションに出ていて、拒食症でリストカットも酷く歌の内容も凄かったので、こんな人がtvに出て本当に良いの!?と批判もネット上であちこちで見掛けました。
    正直彼女の歌は人を癒す力は全く無いと私は思いました。
    拒食症で精神病棟から歌を作ってる時期もあったので、良い悪いはありましたが、そうゆう過程を通っている歌手という事で、そうゆう歌手もいても良いんじゃないか、という感じです。

  3. tona より:

    >震災前後にも彼女はよくミュージックステーションに出ていて、拒食症でリストカットも酷く歌の内容も凄かったので、こんな人がtvに出て本当に良いの!?と批判もネット上で

    コメントありがとうございます。Coccoに関しては一度目の活動休止迄はファン的に
    メディア関連も追っていましたが、復帰以降の彼女は音楽面だけしか触れていなかったので
    みかさんが触れているMステ出演で騒がれた?件も知りませんでした。

    軽く調べてみましたが、2008年頃からしばらく拒食症やうつ等の体調が悪い時期があった様ですね。
    生々しい傷が増えた腕と痩せた彼女の雑誌の写真を見て、衝撃を受けました。

    精神状態の不安定のピークはデビューまでに過ぎたと勝手に認識していたので、
    活動再開後も進行形で必死に戦っていたのだと知り、少しハッとさせられました。

    実際のMステでの状態(衣装や見せ方含め)などは見ていないので分かりませんが、
    こうした状態で出演していた(プロモの為させられていた)としたら
    そうした声がネット上に上がるのも仕方ないかもと思いました。

    >正直彼女の歌は人を癒す力は全く無いと私は思いました。
    拒食症で精神病棟から歌を作ってる時期もあったので、良い悪いはありましたが、そうゆう過程を通っている歌手という事で、そうゆう歌手もいても良いんじゃないか、という感じです。

    ※以下、みかさんの感想に対する批判の意味等はありませんので気にしないで下さいm( )m

    極端に言えば静かなクラシックでも聴く人や状況が変われば”煩い”と感じる人もいるでしょうし、もちろん提供側の調理法が印象面で大きなポイントを占めているのはその通りですが
    最終的には受け取り側次第で色んな印象(感想)があると思うので、どれも本音ならばそれで良いし、正解は無限ですね。

    ある意味彼女の音楽はキズパワーパッド等で知られる”湿潤法”(傷口を乾かして治すのでは無く、あえて密封化し体液を閉じ込める事で傷口をより効率的かつ綺麗に治す手法。
    傷を”グジュグジュ”状態にして治すので、場合によっては膿が出来たり、剥がすタイミングを誤ると、傷口が余計に酷くなってしまうリスクも有る)に近いのかもしれないなと思いました。

    本来人間は(積極的にアピールする必要はないですが)みな裏側の感情やダークな面も抱えている。
    なのに「一般的な印象が良いから」と健全的な人(エンターテイメント)モノばかりが表舞台に並ぶのは倫理上、良い面もありつつも
    ミスマッチ(不健全)なものを一切省いていったら、逆に嘘くさい世界になってしまいますね。

    彼女の様に癖もあるけど、だからこそ生み出される世界観に惹かれたり勇気づけられるリスナーもいると思うので、
    印象だけで一辺倒に批判するのではなく、かといって「無理しても理解してあげよう!」とかではなく、
    みかさんの書かれているように、色んな立場や環境の人達がいるのだなと
    良い意味で一歩引いて見守る様な距離感も、立派な暖かい受け取り方だなと思いました。

    最近のファンの声を見ると、ピーク以降は(当然波はあるでしょうが)体調の方も良好なようで安心しました。
    新作も出たようなので、機会があった時に聴きたいなと思います。^^