森高千里「私のように」レビュー 風船の様に流れ生きても 自分らしさを探そう

シャッフルレビュー第60弾、

今回選んだのはこの曲。

森高千里「私のように」

1999年3月17日発売のSg。キリン「ナチュラルズ」CMソング。

・作詞 森高千里 ・作曲 河野伸

日々の小さな葛藤から、未来への希望を等身大の言葉で綴るミディアム曲。(☆4)

森高千里 『私のように』 (PV)   森高千里

サビはCMソングで耳にしたことがある方も多いはず。

静か過ぎず賑やかすぎず、メロディ・アレンジも耳馴染みよくて心地よいです。

自然体で、希望を導いてくれる歌詞

等身大に、そして誠実に今とその先の未来を、明るく照らす道しるべのような歌詞だなと思います。

曇りの日に傘を持ってくか悩む~くだりも好きですが、

「人に流され 時間に流されて

風船のように生きてる」

1番Aメロのここのフレーズも深いなと思いました。

大人になり、システム化された社会の一員として生きてると

日々のタイムスケジュールに動かされる中で、本当の自分よりも

それぞれの立場や責任者として自分が、外部からは求められる。

仕事なのだから、それ自体は良いも悪いも無いのだけれど、

気づかないうちに、仕事以外でも体面での自分に、本当の自分が覆い尽くされてしまっていたという事は無いでしょうか?

そんな自分を、風船に例えるのが上手いなと思いました。

外側(体面的に)はパンパンに膨らんで、すっかり大きくなってしまったけれど、

実は、内面は空気/空洞でぽっかりとした状態で、どこか虚しさも感じているというか。

風船のような私でも、駄目なわけじゃないし、頑張っている証でもある。

だけど、せっかくならば中身も魅力的な風船のようになれたならば、理想的だなと。色々と考えさせられる歌詞ですね。

また、風流も感じるような、終盤のBメロとサビ歌詞も紹介します。

花が咲くように 季節が巡っていくように

そして 私は私のように

ナチュラル 目を閉じて 感じよう 心で探すもの

深く息を吸って 星を見上げれば 見えるよ

ナチュラル 人は皆 この空の 星のかけらだから

きっと輝いてる こんな私も

ナチュラル 目を閉じて 見つけよう 心で探すもの

揺らぐ風のように 感じてくるはず かすかに

ナチュラル よく見れば 道端に咲く なずなのように

きっと生きてるはず こんな私も

歌詞としては勿論、詩として見ても綺麗だし素晴らしい。

柔らかく自然体でありつつも、しっかりと道徳・哲学感もあり、

またその情景も感じる事が出来る良い詩ですね。

私らしさは、体面や立場、そして視覚的な物に縛られず 「心」で探すものだと。

本人による解説もあるので紹介します。

『私のように』 セルフライナーノート  

セールスは振るいませんでしたが、当時CMはかなり流れていたので、(曲を認知したかどうかは置いといて)多くの人が耳にしていたはずなんです。

なので本当は、特番か何かでメドレーでもいいから「私がオバさんになっても」「気分爽快」

辺りと一緒に、さらっとこの曲を歌ってくれたら

「なにこれ新曲?。知らん・・・あ、なんか聞いたことある!」

と、なるはずなんですよね。

これです。

人間て、記憶の中にある出来事や音/モノ/映像等が一致した時に、(当時特別好きじゃなくても)この「あ!知ってる!!」と、心が揺れた時のインパクトって大きいと思うので、急に親近感が湧いたり、好意的になる気がするんですよね。

そこまで仲良い訳でなかった知人と、久々に会って懐かしさから、より親近感が沸いてしまうのに似ていると思います(もちろんケースによると思いますが)。

なので、まあ、現実的に難しいのは分かりますが、有名曲と共にサラッとこの曲を歌ったりしたら

お茶の間へのインパクトが結構ある気がします。

では、本人による2013年のセルフカバーも紹介します。

森高千里 『私のように』 【セルフカヴァー】   森高千里

今の時代を生きる彼女の「私のように」、良いですね。こんなふうに、人生に寄り添って共に歩いていけるような歌。
 
 
人それぞれに、それぞれの時代、それぞれの道があるけれど
戸惑いや、不安な時があっても、自分を見失わずに、少しでも
それぞれが本当の「私のように」(自分らしく)生きていけるようになれたら良いよね。
 
・・・と、彼女がすぐ隣で伝えてくれる気がします。
 
※追記(18/11) 読者の方からコメントで モーニング娘。’18のメンバーで、12月卒業の”飯窪春菜“のイメージに合うとのご意見を頂き、非常に共感しました。
 
彼女のモー娘としての全うしてきた姿勢や生き方など、詩もサウンドも曲の世界観とリンクする部分も多く、
今後も長く聴けるのは勿論ですが、今の時期はより一層染み入ると思うので、卒業の迫った飯窪さん本人は勿論、ファンの方にもオススメの曲です。
 
 
今回は、森高千里「私のように」楽曲レビューでした。
 
次回もお楽しみに。
 

コメント

  1. 匿名 より:

    サビしか聞いたことのない曲でしたが通しで聞くと切なさや寂しさが淡々と伝わって結構好きです
    この曲リリース3か月後に江口洋介とデ・・・結婚と思うと色々とドキュメンタリー的に深読みもできてしまう歌詞だなあと思います

    懐かしさといなたさが感じられる素朴なバンドサウンドに三十路目前の人生に悩む女性の葛藤が結構リアルに描かれていて当時の森高独特の世界観ですね
    しかしかなり危険なレベルで売れなかった・・・世間は森高にこういう世界観を求めていなかったということでしょうか
    既にこのシングルリリースの2年くらい前から10万枚突破すら難しくなっていたのですが結婚休業まで全く音楽のクオリティが落ちていないのが見事です

    ハロプロメンバーとかに歌い継いでもらってもいいかもしれませんね
    今の飯窪さん辺りが歌うとかなり沁みる気がする

    • tona より:

      コメントありがとうございます。時系列忘れてましたが、この曲のすぐ後に結婚だったんですね。

      >既にこのシングルリリースの2年くらい前から10万枚突破すら難しくなっていたのですが結婚休業まで全く音楽のクオリティが落ちていないのが見事です

      後期の作品は(細野さんとのコラボ除く)正統派女性アーティストという感じの世界観ですね。中~後期のALしか聞いた事がありませんが、良い作品が多くて驚きましたね。

      その頃の彼女のイメージは基本緩やかな減少の流れの中で、毎回冬のバラードで盛り返す印象でしたが、この曲あたりでは時代も移ろって来て、さすがにその余力も無くなってきた感じでしょうか。
      色物的側面もあった全盛期を経て、等身大の世界観になってきて、もっと同世代の女性達からも支持されて良かった気はしますね。

      >今の飯窪さん辺りが歌うとかなり沁みる気がする

      ハロプロメンバーのカバーは全く頭にありませんでしたが、全くその通りだと思いました。立場・状況・環境などを踏まえて彼女にマッチしてる。

      ハイティーンぽい『Y字路の途中』で「迷いはもうない~この思い揺らぐことはない」という歌詞も無理した明るさというか、飯窪さんの実際の状況とミスマッチを感じて、ずっとモヤっと感じていたのですが、匿名さんのコメントを読んで答えが見つかった気がします。

      悪い意味ではなく、今の飯窪さんには、気張って「自信を持って決めた道を突き進む」系より、この『私のように』の様に、素直に「不安ばかりだけど、歩いていく中で私なりにきっと見つけられるはず」な弱さも備えた曲の世界観の方が、すごくしっくり響いてきますね。

      曲の雰囲気と、本人の性格の相性というのもありますよね。そういう意味ではこの曲と今の飯窪さんは、タイミング的にもミラクルと言って良いほどのシンクロ度だと思います。有り得ないのは分かっていますが、卒業ソロでこの曲を歌ったら、凄く綺麗な空間になるだろうなと想像できます(違う意味でザワザワすると思いますが)。
      まあせめて、飯窪さんがどこかでこの曲を聴いて、何か良いエネルギーを感じてくれていたら嬉しいと思います(どっから目線^^;)

      ちなみにOGの中だと意外とこの曲に合いそうなメンバーがいません(中澤、後藤、藤本らの世界観とも違う)。飯田、石川、松浦、高橋辺りでも、ギリギリ世界観は近いでしょうが(各々、歌のクセが強めか)。
      そんな中、20代後半で安倍なつみがカバーしていたら、ナチュラルな曲の世界観ともバッチリハマっていたでしょうね。
      という事で、あまりにも「私のように」と飯窪さんの相性が良すぎる事に気が付けて、勝手に一人で盛り上がってしまいました。長文失礼m( )m

      • 匿名 より:

        飯窪さんのくだりにご賛同いただいて嬉しいです^^
        音域が狭めで割とスローテンポなのでそんなに歌うのが難しくなさそうなのもポイント高いです(飯窪さんゴメン・・・でも飛躍的に歌もダンスも上手くなったよ!)
        歌詞に出てくるなずなの花って白い花びらなんですが中央のおしべめしべ部分?は花粉のせいか黄色く見えるので飯窪さんのメンバーカラー的にも合ってると思います
        素朴な可愛らしい花で飯窪さんのキャラにも相応しい気がします
        なっちもこういう歌が似合いますよね、つくづくあの事件がなければ内省的なアーティスト路線でもう少し粘れたかもしれないと思うと惜しい

        90年代前半の音楽的流行の一つであるガールポップの代表格の一人であった森高ですが
        小室系歌姫、UA・CHARA・川本真琴などの個性派歌姫、MISIA・宇多田ヒカルなどのR&B系歌姫という新たな時代の流れの中であまり目立てずに埋もれていった印象です
        良質な音楽を作って大手CMタイアップもちゃんと取って本人のルックスも衰えずこれといったネガティブな話題もなく・・・
        とここまで揃っても売り上げが下がっていくのは厳しいものですね
        でも管理人様の記事のおかげで自分は当時はあまり知らなかった「私のように」がとても好きになりました
        ご紹介いただきありがとうございました

        • tona より:

          >歌詞に出てくるなずなの花って白い花びらなんですが中央のおしべめしべ部分?は花粉のせいか黄色く見えるので飯窪さんのメンバーカラー的にも合ってると思います
          >素朴な可愛らしい花で飯窪さんのキャラにも相応しい気がします

          そうなんですね、印象的な歌詞のなずなにも飯窪さんらしさがあるんですね^^

          この曲の生活への姿勢など。「明るい未来に向かってこうしなきゃ!と力を入れて~」というより、「失敗もあるけど、自然体につつましく謙虚に~」みたいな感じも含めて
          ともかく歌詞、サウンド全てが飯窪さんぽいですよね。

          モーニング娘の飯窪春菜としては、歌やダンスに悪戦苦闘しつつも
          初めから同期の”面倒見のいいお姉さん”で入ってきて、
          やっぱりずっとそのイメージのまま卒業まで走り続けています。

          面白くて優しいイメージの彼女ですが(姉妹の話を聞くと)もっと派手な側面も持っていると思いますし、
          もしも最年少で入って来ていたら、もっと弾けたキャラだったかもしれない。

          ですが、モーニング娘としてやって来た飯窪さんのライフスタイルと
          この曲の世界観は、間違いなく綺麗に重なるんですね。

          >小室系歌姫、UA・CHARA・川本真琴などの個性派歌姫、MISIA・宇多田ヒカルなどのR&B系歌姫という新たな時代の流れの中であまり目立てずに埋もれていった印象です
          >良質な音楽を作って大手CMタイアップもちゃんと取って本人のルックスも衰えずこれといったネガティブな話題もなく・・・
          とここまで揃っても売り上げが下がっていくのは厳しいものですね

          他が強烈な個性を次々とアピールさせていく一方で、
          森高さんは個性で言うと「濃い」から「薄い」(クオリティの意味では無く)という真逆の方向にシフトチェンジしてましたからね。

          確かにドラマや映画、CM等のタイアップ関連は最後まで抜かりなかったですね。
          それでも歯止めが効かなかったのは、一般層には消費尽くされて(飽きられて)しまったのかもしれませんね。
          彼女に限らずアーティスト的には、そういう時期こそ、隠れた良作があったりするんですけどね。難しいですね。

          >でも管理人様の記事のおかげで自分は当時はあまり知らなかった「私のように」がとても好きになりました

          このサイトが、読者の方と曲の良い出会いの場になれたらと思っているので
          こうした言葉を聞けると、このサイトをやって来て良かったなと思いました。非常に嬉しいです。
          今後も、ヒットした・してないでは無く、自分がお勧めできる曲の記事を書いていきたいなと思います。

          こちらも匿名さんのおかげで、好きだったこの曲を、飯窪さんにとっても大事な時期に(リアルタイムで)
          こうした、別の角度からも感慨深く聴けた事を感謝しています^^
          本人にも巡り巡っていつか届くといいな。
          (今は本人より、飯窪さんのファンの人たちが聞くと沁みるかもしれませんね)