My Chemical Romance『SING』(glee) 君の口を塞ぐものと 歌で闘え!

ちょっとマニアックな音楽レビュー第17弾。※25.03追記
 
今回選ばれたのは、この曲です。
 
My Chemical Romance(マイケミカルロマンス)「SING」
 
2010年11月発売アルバム『Danger Days』からのセカンドシングル。
作詞・作曲 Frank Iero, Ray Toro, Gerard Way, Milky Way
 
My Chemical Romance “SING” Official Music Video (My Chemical Romance)
 
もともと、この曲は海外ドラマ「glee」で知ったので、今回初めて原曲、PVも見ましたが
この原曲もサウンド/ヴォーカルもクールかつ重厚、
インナーサイケなカッコ良いロックナンバーです。
Bメロのシンセ音にも痺れます。
 
このPV、SFアクション映画風で面白いですね。
(アルバムの他のシングルカットの曲とPVがストーリー?になっている様です)
血が飛び出たり、リアルな暴力性を魅せないところが良いですね。
 
他の予算かけ方からするとちょっと安っぽい(オモチャっぽい)ガンのデザインとガンアクションも狙いでしょう。
海外は日本以上にレイティングも厳しいですし、その配慮もあると思います。
(他の曲の戦場でのPVでも、傷口や爆風こそ見せても、刺されたり直撃のシーンはやはり見せていない様です)
 
そのおかげで、空気感はややダークで重めで、見せ方次第でグロにも行きそうなところを、
爽やかヒーローかつクールな印象で見事に表現されていますね。
 
敵組織に日本or中国人?を思わす東アジア系の女性幹部のシーンになんだかゾクッとします。
 
またこの曲は、AL発売後に起こった東日本大震災をうけて、
日本にエールを込めたPVも制作されたようです。
 
アレンジも打ち込み系から生音風に変わっていますね。
途中の間奏で”和”の音もかすかに聴こえます。
 
My Chemical Romance SING It For Japan  (My Chemical Romance)
 
彼らも、Lady Gagaなどと同じく、親日寄りのアーティストだったのでしょうか。
残念ながらマイケミカルロマンスのバンドは2013年3月に解散しましたが、
またいつの日か 明るい話題を聞けたらなと思います。
※2020年に再結成するもコロナで活動延期し、22年から新曲配信や活動再開されているようです
 
 
この曲についてですが、サウンドはもちろんですが歌詞も好きです。
「大切なもののため戦うため歌い続けろ」ということが芯としてあって、
“周りが君の口を塞ごうとしていても”諦めるなと、歌えというメッセージに溢れています。
 
それは ただの “ワガママや都合よく耳を塞いだ自己主張の為” では決してないと思います。
それは、”世界のため”だったり、”目が見えない・耳の聞こえないもののため”だったり。
 
綺麗事だと思う方もいるかもしれませんが、
そもそもがそうした君の勇気を笑うやつ / 声に負けず、
その歌を大声で聴かせろと、真っ向から本気で歌う曲ですからね。
 
やや青春臭いですが、サウンドがしっかりしているので恥ずかしい感じは全く感じないです。
 

そして冒頭でも書いたように、海外ドラマ『glee 2nd Season』でも
カバー(披露)された印象深いナンバーです。
 
「glee」といえばDon’t Stop Believin’」というイメージがある方が多いようですが 
個人的にはこの「SING」こそが、このドラマを象徴した曲だと思っています。
 
 
 
サウンドアレンジ自体は、ほぼオリジナルと一緒ですが、
グリーメンバーたちが集団で歌うことで、
よりこの曲のメッセージが強く感じられて、迫力がありますね。
 
地下鉄のようなセットも格好良いし、緑の背景に
赤い衣装も映えています(クリスマスシーズンだったかな?)。
 
ちょいレアな、準レギュラーメンバーの姿も見えますね。
 
個人的にこの曲は、普段はグリークラブとは敵対関係にある
“スー先生” もストーリーのタイミング上、
一緒にパフォーマンスしているところも、ポイント高いです。
 
 
gleeメンバーにより行われたライブツアーでも
セットリストに選ばれて全員でクールにパフォーマンスされています。
 
シリーズは終了でもgleeコンサート、いつか日本でもやってくれることを願います。
 
 
※追記
久々に全話見返した際に「SING」が州大会のステージ候補曲として登場し
こんな重要なポジションだったのかと驚きましたが。そして何話か後で
マイケミのメンバーから、曲の使用禁止の手紙が届くというエピソードが出て来る。
 
元々この曲はスー先生が提案した曲ではあったが
スーは州大会のライバル校のコーチとして寝返り^^;
さらにはマイケミメンバーに嘘を吹き込み、
曲を使用禁止にさせてgleeのメンバー達に罠を仕組んだという。
(全て口頭での説明で、メンバーは一切登場しませんので悪しからず)
 
これは当然あくまでドラマの中の話だが、
作中マイケミの「SING」というワードがやたら出てくるので、
もしやgleeのタイアップ前提の曲だったのでは?という印象が残った。
 
今回ちゃんと調べたら彼らのALの発売が2010年11月で
このパフォーマンス回のglee放送日が11年2月15日と
思い切り新譜でプロモ時期とも被っていたのですね。
 
それまでの彼らの路線からすると異色路線だし
これは実質彼らが『glee』の為に書き下ろした楽曲と言っても外れじゃない気がします。
 
彼らが若者に対して世間に向けて恐れず発信して欲しい事や
俺たちも共に歌う!!戦うんだ!!
というメッセージも込められているのかもしれません。
 
 
ということで今回は、My Cemical Romance「SING」楽曲レビューでした。
 
次回は、何の曲になるでしょうか。
 
DEHA!!
 
 
 
%d