カネボウ”I HOPE”新表明CM「唇よ、熱く君を語れ」カバーに想いあふれて

今回は、久々にCM作品をピックアップしたいと思います。

カネボウのCMです。

カネボウの決意表明 “I HOPE.”

※2020年1月1日からCM動画が公開されていた様です。

カネボウ KANEBO “I HOPE.” 60sec CM

映像としても、ショートフィルムの様にこだわりつつ

暗闇の中から希望を探す自己開放や、ジェンダーレスの問題についても触れたメッセージ性の強い内容になってます。

一見して化粧品(口紅)のCMかと思いがちですが、

“I HOPE.”をコンセプトに、単なる美しさではなく希望を発信するブランド「KANEBO」として生まれ変わる、

そんな決意表明とも言えるコンセプトCMの様です。

CM楽曲 「唇よ、熱く君を語れ」

唇よ、熱く君を語れ」(・作詞 東海林良 ・作曲 渡辺真知子)は、

1980年1月に発売された渡辺真知子さんの8枚目のSg曲で

カネボウ1980年春のCM曲としても使用されていました。

このカバー選曲にも、カネボウの歴史やプライドや意思も感じられます。

個人的に渡辺さんはカラオケ歌番組『The 夜もヒッパレ』内での通称「温泉まんじゅう」の一人で、歌声がパワフルで「かもめが飛んだ」が昔ヒットした方という印象でしたが

今回を気に調べたら、自身で(作詞)作曲される、いわゆるソングライターだったというのには衝撃を受けました。

この曲の発売当時の社会背景も、女性進出は少しずつ認知されつつも

いわゆる「男は外で働き、女は家庭で~」の精神が根強く残っていた中で

ジャンヌ的切り込みも含めつつ、権力に”“で対抗するのではなく

世の女性達に「あなたの夢を語って、花開かせていこう」という呼びかけが、

サウンドと歌唱の意志の強さを優しさでまとって、爽やかに表現されていと感じました。

あれ?カネボウって

個人的には化粧品メーカーとしてのカネボウは、子供の頃から知っていましたが

そのバックグラウンドをよく分かっていませんでした。

解説動画も発見したので紹介します。

唇よ熱く君を語れ★40年ぶりカネボウ復活CM(キミアキ先生の起業酔話)

ざっくりとではありますが、大まかな会社の歴史の流れが掴めました。

CMからも伝わって来ましたが、社名をブランド名にしたという事で、相当気合の入った流れであるみたいですね。

もっと詳しく知りたい方は、調べてみて下さいね。

驚いたのはCMのショートカットのメインビジュアルの少女、中島セナさんは13歳だったんですね!

また、タクシーシーンの 井手上漠(いでがみ ばく)さんは、2018年のジュノン・スーパーボーイ・コンテストでのファイナリストだった様です。

「13歳やジュノンボーイ達が化粧品CMとは・・・何ともすごい時代だ ―」と言ってしまいそうになるが、

大切なことは「凄いことかもしれないが、特別なことでは無いということ。」

かつて、女性の社会進出に大きな偏見があった(現在でも問題は多いですが)様に

そうした社会の流れもまた、”日常事態“になりつつある事を、老舗企業が先陣を切って示しているのが、格好良いなと思いました。

さて、ここまで記事を書いてきましたが、

このCMを取り上げたのは、先の「唇よ~」カバーの歌声に心を動かされたからでした。

謎のカバー歌手。

年始のCM放送開始以降、歌唱しているのは現在芸能活動休業中の松浦亜弥ではないか?と一部では話題になっていた様です。

アイドルファンの方は流れてくる歌声に、ドキッとした方も多いと思います。

恥ずかしながら、自分はCM含めこの話題を5ヶ月近く全く知りませんでした。

このCMを先月初めて見た時ゾクゾクっとして、久々にヤバイ物に触れてしまい、時が止まったようで

つい「もっと早く知りたかった!!何で今まで知らなかったんだ!)」と思いました。

自分はある女性歌手の作品をデビュー当時から聴き続けています。彼女はいわゆるアイドル歌手として売り出されましたが、ビジュアルやキャラに注目が集まりがちでしたが、活動後期に至るまで才能溢れる歌唱力でした。

分厚いゴスペル調コーラスの中にも聴こえてくる覆面カバー歌手、その息継ぎ、ビブラート、声の落とし方等にその女性歌手の面影を強く感じて鳥肌が立ちました。

同じように、ずっと彼女の歌を聴き続けている人達には、同じようにビビッと来たハズです。

このサプライズはもはや斜め上過ぎて、嬉しさが振り切ってしまっているので

(もしかしたら気鋭の新人かもしれないし、全く違うかもしれ無いが)

言いたいことはただ「歌ってくれてありがとう」という事。

様々な活動の仕方、表現の方法がある中で、こうした素晴らしい再会にただただ感謝です。

戦略的に「もっと騒いだ方が良いの?」とか、(CM作成当時予定されていた)2020年夏の東京五輪に向けて段階的に、アクションが仕掛けられていたのは!?等、思う所もありますが、とりあえず

このCMは年齢や性別、国籍や立場に縛られず、様々な個性や自分らしさ、ボーダーレスの表明でもあると思います。

大切なのはそれぞれが何を「発言」「発信」「行動」しようとしているのかという『メッセージ』であり、

失礼な意味ではなく出演タレントの方々の名前や背景は、知りたけりゃ知ればいいし、知らなけりゃそれでも十分良くて、

だからカバー歌手についても、カネボウ側が敢えて名前を出さない事にもメッセージが含まれていると受け取りました。

ある程度世間に認知された著名人達は、ネーミングだけで「あ~○○ね」なんて、本人の意思とはズレた表面上のキャラクターの印象を浮かべる人も多い。バラエティ等ではそれでも良いかもしれないが、エンタメ作品で表現する時には足かせになることもあるかもしれない。

そんな、名前やイメージフィルターを介さずに、純粋に歌声(音の力)で届くものが伝わるものがあれば、それで良いのだと。

「唇よ~の人?」でも「あ!懐かしい渡辺なんとかの曲だっけ?」で十分で

何かを特定する”固有名詞“に重要性は無いのかもしれない。

と言う事で、矛盾しているかもしれないが、カネボウさんの今作(CM)での表明を尊重し、今回は敢えて直接的な提言はしません。

発せられる音に心が動かされるか

揺さぶられる何かを感じるかどうか

少なくとも自分は、心を大きく動かされました。

先月、今後の生活に不安が溢れていた時に一足遅くこのCMに、歌声に出会い

沢山の勇気と力を頂きました。この感動は先の人生でも忘れないでしょう。

この時代にこの歌声を聴けて良かった。企画して下さったカネボウのスタッフの方々にも感謝です。

ひとつ希望があるとすれば、来年以降になっても良いから、この音源がいつか商品化されたら嬉しい。(KATEの武田カオリさんも待ってます!)

では改めて、東京五輪開幕に合わせ(?)このCMの新Verが公開されました。

開放かな触れる新アレンジと共に、歌い手もクリスタル・ケイさんに変更されています。

これはこれでひとつの魅せ方として良いとして、

個人的にはやはり初期Verが好きだ。

以下、KANEBO ブランドコンセプトより一部抜粋。

希望がないと言われる時代。

一人ひとりの中に希望を見つけ、

引き出し、高めてゆく。

それが、 これからのわたしたちの使命。

KANEBOは、

美ではなく希望を語るブランドへ。

CM出演者の情報や、各種商品情報など知りたい方は

KANEBO』HP内 ブランドコンセプトページ(新規ウィンドウで開きます)

チェックしてみて下さい。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。

さぁ、我々も唇から明るい明日を語っていきたいですね。

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