中田ヤスタカ「White Cube」レビュー 聴くアトラクションに クリエイターの意地を見た

シャッフルレビュー特別篇、筆者が2018年に聴いた曲の中から選ぶ

年間ランキング、第3位の曲はこちら。

中田ヤスタカ「White Cube」

2018年2月7日発売AL『Digital Native』収録曲。

フワーっとした無重力感で、カラフルな粒子が飛び交うような

パワフルさと切なさを併せ持つ、エネルギッシュなEDM曲。(★3.5)

中田ヤスタカ – White Cube (Official Video) Yasutaka Nakata Official 

ともかく、聞いてて心地良い。

インスト曲なので合いの手的な掛け声以外、歌詞は無い。

だけど、サウンド自体に喜怒哀楽が表現されているというか

歌詞がなくても十分に、曲のパワーを感じる事が出来る。

こうした聞き手の感覚に任せた部分大きいという事は

それだけ、聞き手の数だけ無数にストーリーが枝分かれするし、

さらに固定された歌詞が無い事で、聞き手のその時の解釈によって、より大きな自由度を持ってその世界が伸縮していく。

一律に歌詞の無い曲の全てが、必ずしもそうという訳ではなくて

この楽曲の場合はそれが有効的に働いているという話です。

世の中でのジャンルとして分かり易いから、「楽曲」という扱いになってはいますが、

強いてジャンル分けをするとしたら

聴く(感じる)アトラクション作品」と言っても良いと思います。

個人的にはこの曲を聴くと

目の前のスモークがかったスクエア型の景色が、静止画ととなって切り取られ

この曲のイントロと共に左右からカラフルで、流動的なシーンがスライドして物語が動き出す未来的なイメージです。

昔からトランスやEDMサウンドは、そのイマジネーションの世界に入り込む、一種のシンクロ、トリップ感を感じるのにピッタリではありますが、

この曲のサウンドによるマインドトラベル性にも、かなりの強さを感じます。

またこの記事を書くまで、このPVの存在も知らなかったのですが

自分の中に見えていた、ひとつのビジュアルイメージとして共感出来るポイントも多く、(答えは無限にあるのだが)ある種、自分の描いてたイメージと答え合わせが出来たようで嬉しかったです。

タイアップやVoice ver

この曲は、日清カップヌードル チリトマトヌードルが、白い謎肉をリニューアルの(CM)イメージソングだった様です。

ああ曲のタイトルはそういうことだったのかと、ちょっとイメージがアレレと思ってしまったものの、ただこれまで何の先入観もなく「White Cube」というタイトルも曲にハマってると思っていたし好きだったので、良い意味でこのタイアップの件は横に置いて、今後もこの曲と付き合っていこうと思います。

また、この曲は、苺りなはむ(CY8ER)をフィーチャーした

「White Cube (+Voice Version) [feat. 苺りなはむ]」として

ALからリカット扱いで配信されたようです。

タイアップに引き続き、Voice verの存在も今回初めて知りましたが

リリースから約1経って知ったからこそ、変な先入観を持たずにそれぞれ客観的に楽しめて、逆に良かったのかもと思いました。

Voice Verは、そこまでVoが前面に出ているわけではないけれど、完全にVoファン向けに振り切ってますね。

ヤスタカさんかなり気を使ったのかな?という印象です。ひとつのVerとしては、面白いと思います。これは単体で楽しむもので、オリジナルと比べちゃいけないでしょうね。

個人的にプレイリストに入ってる中田ワークスの最新曲は、2017年春に発売された三戸なつめのAL曲や、Perfume宝石の雨」(当時B面曲)、でしばらく空白になっていたのですが ※当時書いた三戸なつめアルバムレビュー記事

新世代のアーティストも出てきている中、自分の中でややフェードアウトの印象がありました。

・・・が、この曲に出会い反省しました。彼は最先端を走り続けていたのだと。

この曲から半端ない現役感と、オーディオセンスを再認識させられました。

そんな、背景からさりげなく感じられる「クリエイターとしての意地、プライド」みたいなところも格好良い。実に良質なダンスPOPだと思います。

という事で、今回は様々な新発見もあった中田ヤスタカ「White Cube」楽曲レビューでした。

あらかじめ書いておくと、次回以降発表の年間ベスト1位2位はちょい昔の曲、かつマニアックな曲です。(な訳で、純粋に2018年に発売された曲ではこの曲が1位になりますね)

次回もお楽しみに。